コロンビア、対エクアドル関税30%から100%に引き上げ、貿易戦争激化
今回の措置についてコロンビア当局は、「外交的解決に向けた努力は尽くしたが進展が得られなかった」と説明し、やむを得ない対応であると強調した。
とコロンビアのペトロ大統領(AP通信).jpg)
南米コロンビアとエクアドルの間で貿易摩擦と外交対立が激化している。コロンビア政府は10日、エクアドルからの輸入品に対する関税を30%から100%に引き上げると発表した。これはエクアドルが前日に同様の水準まで関税率を引き上げたことへの対抗措置であり、両国は事実上の「関税合戦」に突入した。
今回の措置についてコロンビア当局は、「外交的解決に向けた努力は尽くしたが進展が得られなかった」と説明し、やむを得ない対応であると強調した。新たな関税は速やかに導入手続きに入るとしている。
対立の発端はエクアドルが自国の貿易赤字や国境地帯での治安問題を理由に、コロンビア製品への関税を段階的に引き上げてきたことにある。エクアドル側はコロンビアが麻薬カルテル・密輸対策で十分な対応を取っていないと批判しているが、コロンビア政府はこれを否定し、両国は共同で対策に取り組んでいると反論している。
さらに両国関係は外交面でも悪化している。コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領がエクアドルで収監中のグラス(Jorge Glas)元副大統領を「政治犯」と呼び釈放を求めたことが波紋を広げ、エクアドル政府はこれに強く反発した。こうした政治的対立も経済措置の応酬に拍車をかけている。
緊張は安全保障分野にも及んでいる。直近では、エクアドル側の治安作戦に関連してコロンビア国内で爆発が発生し、14人が死亡した。エクアドルは越境空爆を否定しているが、両国の不信感は一層深まっている。
経済面での影響も大きい。コロンビアはエクアドルに対する電力供給を停止、干ばつ時に電力を輸入するエクアドルにとって打撃となっている。またエクアドルは医薬品や農薬などをコロンビアから多く輸入しており、関税引き上げは両国の企業や国民生活にも影響を及ぼすとみられる。
両国間の貿易は規模が大きく、2025年にはコロンビアが約10億ドルの貿易黒字を計上していた。今回の措置により、この経済関係が大きく損なわれる可能性がある。
コロンビア政府はこの問題をアンデス共同体(CAN)にも提起し、地域的な通商秩序への影響も懸念されている。対立はエネルギー、治安、外交を含む複合的な問題へと発展し、短期的な収束の見通しは立っていない。両国の報復的措置の応酬が続けば、南米地域全体の経済と安定に波及する可能性も指摘されている。
