コロンビア軍、反政府勢力から逃れた兄弟姉妹6人を救出
今回の事件の背景には旧コロンビア革命軍(FARC)の元司令官であるディアス(Alexander Díaz)が率いる武装組織の存在がある。
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南米コロンビアで3月31日、反政府武装勢力から逃れるため熱帯雨林に身を潜めていた兄弟姉妹6人が軍によって救出された。事件は南西部カケタ県で発生し、子どもたちは約3日間にわたり森林の中で潜伏生活を余儀なくされていた。
国防省によると、救出されたのは5人の未成年と成人の姉1人で、軍は遠隔地からヘリコプターを投入し、6人を安全に搬送した。サンチェス(Pedro Sánchez)国防相は声明で、「民間人、特に未成年を標的にする行為は極めて非人道的であり、繰り返されれば戦争犯罪にあたる」と非難した。
今回の事件の背景には旧コロンビア革命軍(FARC)の元司令官であるディアス(Alexander Díaz)が率いる武装組織の存在がある。この組織は子どもたちの両親を一時拘束したものの、この2人に逃げられ、圧力をかけるために子どもたちの誘拐を試みたとされる。
両親は脱出したのち、子どもたちを守るため、農場近くの森林に隠した。家族の関係者が子どもたちを森へ連れて行き、その後、両親が軍基地に避難後、子どもたちの居場所を伝え、今回の救出作戦が実施されたという。軍は31日早朝に作戦を開始し、全員を無事に発見・救出した。
ディアス率いる武装組織は2016年の和平合意に参加しなかった旧FARC系勢力の一つ、現在も政府との和平交渉を続けている。2023年には未成年の徴用を行わないとする合意に署名していたが、現地では依然として子どもの強制動員や住民への脅迫が報告されている。
ペトロ政権は「全面的和平」を掲げ、国内の武装勢力との交渉を進めてきたが、停戦期間中に武装勢力が勢力を立て直すなど、実効性に疑問も指摘されている。今回の事件はそうした和平政策の限界を浮き彫りにした形だ。
専門家によると、コロンビアでは武装勢力による子どもの徴用が過去5年間で大幅に増加している。報復への恐れから通報されないケースも多く、実態はさらに深刻である可能性が高い。
今回の救出は成功したものの、武装勢力が地域社会に及ぼす影響の大きさと、子どもを巻き込む人道問題の深刻さを改めて示した。政府は引き続き治安回復と和平交渉の両立を迫られており、住民の安全確保に向けた取り組みの強化が課題となっている。
