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コロンビアとエクアドルの貿易摩擦激化、双方が30%関税課す

この措置はエクアドル政府が前日にコロンビア産品に対して同率の関税を課すと発表したことへの報復であり、両国間の貿易対立が一段と激しくなっている。
2026年1月22日/コロンビア、エクアドルの国境検問所近く(AP通信)

コロンビア政府は22日、エクアドル産の一定品目に対し30%の関税を課すと発表し、同時に同国への電力販売を無期限で停止すると表明した。この措置はエクアドル政府が前日にコロンビア産品に対して同率の関税を課すと発表したことへの報復であり、両国間の貿易対立が一段と激しくなっている。

エクアドルのノボア(Daniel Noboa)大統領は貿易赤字が8億5000万ドルを超えているとして、不満を公にしていた。またノボア氏は両国の国境における治安協力が十分でない点も批判し、犯罪組織や国際的な麻薬密輸が横行する状況に対するコロンビア側の対応を強く問題視していた。

これに対しコロンビア政府は、エクアドルの一方的な関税措置に驚きを示しつつも、自国はこれまで両国間の安全保障面で協力してきたと強調した。また軍事や麻薬対策の共同作戦など、既存の二国間メカニズムは機能しているとし、今回の対立はエクアドル側の誤った判断によるものだとの見解を示した。

関税の対象となるのは20品目のエクアドル産製品で、これらの輸出額は約2億5000万ドルに上るとされる。コロンビア商務省は、今回の措置はあくまで一時的であり、外交交渉による解決の余地を残していると述べている。ただし、必要に応じて関税対象をさらに拡大する可能性も示唆している。

貿易統計によると、2024年1月から11月までのエクアドルの対コロンビア輸出額は約7億6000万ドルであったのに対し、コロンビアからの輸入は約18億ドルに達し、エクアドル側の貿易赤字は大きい。2025年の同期間でもこの不均衡は拡大し、エクアドル輸出連盟は貿易赤字が8億5200万ドルに増加したと報告していた。

経済界からは両国政府への懸念が強まっている。首都ボゴタにあるコロンビア・エクアドル商工会議所は声明で、「企業からは高い不安の声が寄せられている。この状況は企業活動や売上予測に直接的な悪影響を与え、雇用を脅かす可能性もある」と述べ、貿易対立が経済に与える影響に懸念を示した。

一方、コロンビア政府は電力販売停止について「自国のエネルギー主権と安全を守るための予防的措置である」と説明している。また、エクアドルが2024年末に深刻なエネルギー危機に陥った際、コロンビアが輸出可能な電力の約90%、およそ450メガワットを供給し支援したことを強調し、今回の対立が地域統合に逆行するものだと批判した。

コロンビア政府は対話による解決に意欲を示しているが、両国の緊張は続いており、地域経済や企業活動への影響が懸念されている。

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