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コロンビア政府、44億ドルの税制改革案を議会に提出へ


今回の改革案は2026年予算における財源不足を補うことを主目的とする。
コロンビアのペトロ大統領(Getty Images)

コロンビア政府は10日、44億ドル規模の税制改革案を議会に提出する方針を明らかにした。会期末が迫る中での提出となり、成立の可否は不透明な情勢dだが、財政悪化への対応として政府は法案成立に強い意欲を示している。

今回の改革案は2026年予算における財源不足を補うことを主目的とする。コロンビアでは歳入の伸び悩みや財政赤字の拡大が続き、新たな税収確保策を講じなければ財政の持続性が損なわれかねない状況にある。実際、承認済みの歳出計画は裏付け財源が欠け、追加的な財源確保が急務となっている。

改革案の詳細は最終調整中とみられるが、これまで検討されてきた内容からは、企業や高所得層への課税強化、特定産業への追加課税、間接税の見直しなどが柱になるとみられる。政府はこれにより数十兆ペソ規模の歳入増を見込んでおり、中期的な財政安定化にもつなげたい考えである。

もっとも、政治的なハードルは高い。ペトロ政権は議会内で安定多数を確保しておらず、過去にも同様の税制改革案が否決されている。2025年末には45億ドル規模の増収を目指した改革案が成立せず、その後政府は非常事態宣言を通じて財政措置を講じる事態に追い込まれた。

さらに、現在の会期は間もなく終了する予定、限られた期間で審議を終える必要がある。このため、野党や一部与党議員からは拙速な審議への懸念も出ており、法案が可決される可能性は低いとの見方も根強い。

こうした中、ペトロ(Gustavo Petro)大統領は税制改革が否決された場合、再び非常事態措置を検討する可能性も示唆している。政府としては、社会支出や公共サービスを維持するためには追加財源が不可欠であり、何らかの形で歳入増を実現する必要があるとの立場である。

コロンビア経済は中南米有数の規模を持つ一方で、近年は財政赤字の拡大や債務増加が課題となっている。信用格付けの引き下げや財政規律の一時停止といった動きもあり、市場の信認維持には財政健全化策が不可欠だ。

今回の税制改革案はこうした状況を打開するための重要な試金石となる。しかし、政治的対立や時間的制約が重なる中で、実際に成立に至るかは不透明である。仮に否決されれば、政府は再び例外的措置に頼らざるを得なくなり、コロンビアの財政運営は引き続き不安定な局面が続くとみられる。

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