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コロンビア当局、レブ・タホール教団のメンバーを米国に送還

この集団は11月22日、北西部アンティオキア州のホテルに滞在していたところを摘発された。26人のうち17人は未成年者で、そのうち5人は米国およびグアテマラのパスポートを所持していた。
ユダヤ教の一派である「レブ・タホール教団」の信者(Getty Images)

コロンビア当局は1日、ユダヤ教の一派である「レブ・タホール教団」の信者計26人を米国に送還したと明らかにした。

それによると、この集団は11月22日、北西部アンティオキア州のホテルに滞在していたところを摘発された。26人のうち17人は未成年者で、そのうち5人は米国およびグアテマラのパスポートを所持していた。

国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)はこの5人を対象にイエローノーティスを発行していた。

イエローノーティスは行方不明者の所在確認や身元不明者の身元特定を支援するために加盟国へ発出される通報である。主に未成年者や記憶喪失者、高齢者など、保護や支援が必要な人物が対象となる。

強制力を伴う逮捕依頼であるレッドノーティスとは異なり、イエローノーティスは捜索と身元確認を目的とした情報共有の仕組みだ。

拘束後、子どもたちは同国の児童福祉機関ICBFなどの保護下に置かれ、約1週間、メデジン市内の移民施設に移送された。

成人9人は米国行きの便でニューヨークへ送還され、米当局へ引き渡された。子どもたちは米側でCPS(児童保護局)の管轄下に置かれる見通しだという。

当局によると、今回の措置は未成年者の権利が侵害されるおそれがあるとして決定されたもので、レブ・タホール教団がコロンビア国内でコミュニティを設立する動きを見せていた点も問題視された。

コロンビア移民局は声明で、「子どもたちが入植地を設ける前に保護できたのは良かった」と述べ、捜査の正当性を強調した。

レブ・タホール教団はこれまで、複数国で児童誘拐、強制結婚、児童虐待などの疑惑により問題視されてきた。過去にはグアテマラやメキシコ、米国、カナダなどで捜査や保護措置が取られており、メンバーが国外へ移動を続けてきた経緯がある。

先月下旬、匿名の通報と国際的な警告を受け、移民局と警察、福祉機関が合同でホテルへの立ち入り検査を実施。警察の特殊部隊や福祉機関が協力する形で捜査が行われた。

今回の追放は児童保護と移民対策の一環であり、現時点でコロンビア国内での刑事訴追は始まっていない。当局は今後他国と連携し、レブ・タホール教団に関する捜査を継続する可能性を示唆している。

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