コロンビア最大の左翼ゲリラELN、警察官5人を解放、緊張高まる中
この解放は同組織が国内の政治的対立を克服しようとする「国民合意」の追求と連動した動きとみられている。
」の戦闘員(Getty-Images).jpg)
コロンビア最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」は19日、今月初めに北部カタトゥンボで誘拐した警察官5人を解放したと明らかにした。この解放は同組織が国内の政治的対立を克服しようとする「国民合意」の追求と連動した動きとみられている。
この警察官5人は1月6日、休暇中にバスで移動していた際にELN戦闘員に拉致されていた。地元の人権団代はSNSに、迷彩服姿のゲリラ兵が警察官たちを解放する写真を投稿し、5人が健康であることを伝えた。また団体はELMを含む全て反政府勢力に対し、拘束されている市民を直ちに解放するよう呼びかけた。
ELNはコロンビアと隣国ベネズエラに拠点を置き、約5000人の戦闘員を抱えるマルクス主義系ゲリラ組織で、1960年代初頭に結成されて以来、麻薬取引や石油パイプラインの破壊など、数多くの暴力活動に関与してきた。米国務省は1997年以降、同組織を外国テロ組織に指定している。
ELNと中央政府の和平交渉は2025年に中断されている。中断の契機となったのは、ELNがカタトゥンボで大規模な軍事作戦を展開し、5万人以上の住民が避難を余儀なくされたことだ。交渉再開に向けて、ペトロ(Gustavo Petro)大統領はELNに対し、麻薬取引から手を引き、少年兵の勧誘をやめるよう求めている。
ELNは最近、今年の総選挙後に「新政権」と協力し、貧困対策、環境保護、農村部における麻薬取引の克服を目指す合意づくりに関与したいと表明した。しかし、ペトロ氏はこうした提案が真剣な和平プロセスに向けたものと認められるためには、具体的な行動、特に違法な麻薬活動と未成年者の戦闘参加の停止が必要だとの立場を示している。
ELNは過去にも麻薬密売や戦闘行為で非難されており、特に東部の油田地帯ではパイプラインの爆破やインフラ破壊が報告されている。ELNはまた、米政府の圧力に対抗するため、他の反政府勢力との連携を模索する意向を示しているとされ、コロンビア内外の安全保障環境に影響を与える可能性がある。
今回の警察官解放はELNが和平プロセスの再開に向けた動きを強調するための政治的なシグナルとも受け取られているが、政府側は依然として不信感を抱いている。国際社会もコロンビア国内の治安改善と長期的な和解に向けた進展を注視している。今後の展開次第では、ELNと政府間の交渉が再始動する可能性もあるが、進展には依然として多くの課題が残されている。
