コロンビアの左翼ゲリラELNが停戦を宣言、議会選挙に先立ち
ELNはウェブサイトに声明を掲載、軍や選挙当局への攻撃を停止することを表明し、有権者が「自由に」投票できる環境をつくるとしたが、停戦の終了時期は明示していない。
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コロンビア最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」は23日、来月に予定されている議会選挙を前に、一方的な停戦を宣言した。ELNはウェブサイトに声明を掲載、軍や選挙当局への攻撃を停止することを表明し、有権者が「自由に」投票できる環境をつくるとしたが、停戦の終了時期は明示していない。この声明は選挙を巡る暴力を抑えようとする意図を示すものだ。
ELNは声明で、自らが選挙に参加したり候補者を支援したりする組織ではないと主張し、麻薬カルテルのように政治資金を提供する活動は行っていないと否定した。また、有権者が誰に投票するか、あるいは投票を棄権するかを自由に選択することの重要性を強調した。
しかし、ELNはこれまで与党政治家や活動家に対して暴力的な手法を用いてきたとの批判が強い。政府側は昨年、北東部地域での一連のELNの攻撃を受け、5万人以上が避難を余儀なくされたことを受け、ELNとの和平交渉を中断している。こうした経緯から、ELNの停戦宣言に対して政府側は慎重な姿勢を崩していない。
3月8日に予定されている議会選挙では上下両院の300議席以上が新たに選出される。また一部政党では5月の大統領選に向けた予備選も同時に実施される。ペトロ(Gustavo Petro)大統領が率いる左派連合は今後の憲法改正も視野に入れ、議会での過半数獲得を目指している。
しかし選挙はすでに複数の暴力事件に見舞われている。先月、先住民出身の上院議員が南西部カウカ州で誘拐され、その後軍が展開して無事解放された。また、東部では別の上院議員の護衛2人が銃撃を受け死亡、ELN側は公式声明で車両が検問に従わなかったために攻撃したと説明した。さらに昨年には保守派の大統領候補ミゲル・ウリベ(Miguel Uribe)上院議員が選挙集会で銃撃、その後死亡した。これを受け、多くの候補者が治安上の懸念から選挙活動を縮小せざるを得ない状況となっている。
人権団体は国内の自治体の約11%で左翼ゲリラや麻薬組織の影響で選挙の安全が極めて危険な状態にあると評価している。この評価は武装集団の存在、強制的な住民避難、人権活動家への攻撃など複数の要素を基に行われた。
今回のELNの一方的停戦宣言は選挙前の治安悪化を抑える目的とみられるが、ELNが過去に繰り返してきた暴力の歴史や和平交渉の停滞などから、有権者や政府側の間でその効果や真意に疑問の声も根強い。コロンビアでは選挙の公正と安全の確保を巡る課題が依然として大きな政治・社会問題となっている。
