◎新憲法の是非を問う国民投票は9月4日に行われる予定。
2022年7月4日/チリ、首都サンティアゴの議会議事堂、新憲法の草案を掲げるボリッチ大統領(Luis Hidalgo/AP通信)

南米チリボリッチ(Gabriel Boric)大統領は4日、旧軍事政権が施行した憲法に代わる新憲法の草案を受け取った。

ボリッチ氏は議会演説で起草委員会を称賛し、「この国の運命を決めるのは国民である」と語った。

新憲法の是非を問う国民投票は9月4日に行われる予定。

ボリッチ氏はツイッターに、「運命を決めるのはあなただ!」と投稿した。

草案によると、最初の条文には「チリは社会的・民主的国家であり」と書かれている。草案が採用されれば、憲法は11の先住民族グループを公式に認めることになる。このグループは人口の約13%(1900万人)を占めている。

また草案は、先住民向けの新しい公的医療制度や先祖代々受け継いできた土地の返還を要求している。さらに、住宅で生活する権利や男女同一労働賃金など、新しい権利も複数打ち出されている。

起草委員会の責任者はボリッチ氏に草案を手渡し、その後、ボリッチ氏は国民投票の日付を定める法令に署名した。

2020年の世論調査では有権者の4分の3以上が新憲法を求めていた。しかし、今年初めに行われた世論調査では改正派が約50%に減少。4月以降の調査では完全に逆転している。

地元のアナリストによると、有権者は草案の内容より、起草委員会の一部委員の傲慢な態度に不満を表明している。

大統領府報道官は先週、起草委員会は国民の不満にうまく対処できていないように見えると述べていた。

しかしボリッチ紙は、「起訴委員会の評価と憲法改正は分けて考える必要がある」と国民に呼びかけた。「9月の国民投票は政府の信任投票ではなく、チリの未来と運命を決めるためのものです...」

急進左派のボリッチ氏は昨年末の選挙で勝利し、3月に就任した。就任時の支持率は50%を超えていたが、最近の世論調査によると、支持率は30%代に落ち込んでいる。

現在の憲法は1973年から1990年まで政権を握った故ピノチェト(Augusto Pinochet)元大統領が施行した。

国民憲法で過半数が改正に投票すれば、施行に向けた取り組みが始まる。このプロセスは数年かかると見込まれており、決議するか否かは連邦議会に委ねられる。

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