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コロンビア武装勢力による子どもの強制徴用、過去5年間で4倍に=ユニセフ

2020年には116件だった子ども勧誘事例が2024年には453件に跳ね上がり、深刻な人権問題となっている。
コロンビアの左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」の戦闘員(Getty Images)

コロンビアで武装勢力による子どもの強制的な兵士勧誘が5年間で4倍に増加している。国連児童基金(ユニセフF)が12日、明らかにした。それによると、2020年には116件だった子ども勧誘事例が2024年には453件に跳ね上がり、深刻な人権問題となっている。これらの数字はユニセフのレポート「子どもと武力紛争に関する報告書」に基づくもので、実際の件数は報告されているよりもはるかに多い可能性があるという。

ユニセフのコロンビア代表は声明で、「子どもたちは交戦状態のただ中に置かれているだけでなく、武装勢力によって体系的に勧誘・利用されている」と指摘し、被害を受ける子どもとその家族が甚大な影響を受けている現状を憂慮した。また、子どもたちを保護し、安全を確保するための緊急対策が不可欠だと訴えた。

この増加の背景には、地方における暴力の激化や貧困の深刻化、教育機会や社会インフラの乏しさなどがあるとされる。これらの要因が、特に農村部や社会的に脆弱なコミュニティの子どもたちを武装勢力の標的にしているという。ユニセフは「子どもたちは時に家族を支えるため、暴力から逃れるため、あるいは安全を保証されるとの偽りの約束に誘われて勧誘される」と述べた。

独立系シンクタンクの国際危機グループ(International Crisis Group)の報告では、子どもの勧誘には2つの特徴的な構造があるとされる。1つは武装勢力内部のメンバーが直接子どもを探し出して勧誘する方法で、彼らは空腹の子どもに食料を与えるなどして信頼を得て勧誘を進めることがあるという。もう1つは「独立したリクルーター」で、武装勢力と関係がない者が子どもを探し出し、最も報酬を出す集団に売り渡すという仲介型のネットワークだ。報告では、子ども一人ひとりには身体的特性などに応じて「価格」が付けられ、性別によっても異なる市場価値が形成されているケースがあるという。

さらにユニセフはこうした勧誘がSNS(ソーシャルメディア)を通じても進行していると警告している。オンライン上で食料や仕事、より良い未来を約束するなどの偽情報を用いて若者を引き寄せ、実際には武装勢力の構成員として利用する手口が広がっているという。

コロンビアは2017年に政府と主要ゲリラFARC(コロンビア革命軍)が和平合意を結んだものの、FARCから離脱したゲリラや他の武装勢力が依然として麻薬密売や違法経済圏を巡る抗争を続けている。このため武装勢力による暴力は根絶されておらず、子ども勧誘の増加につながっているとの分析がある。

ユニセフは武装勢力による子どもの勧誘と利用を防ぐため、地域社会レベルでの保護体制の強化、教育機会の拡充、社会サービスへのアクセス改善など総合的な支援が必要だと訴えている。また、国際社会や政府機関による協力が不可欠であり、子どもたちが武力紛争の犠牲とならないよう取り組みを強化していく意向を示している。

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