ボリビア大統領選決選投票、中道のパス氏が勝利
パス氏は19日夜、妻と4人の子供に囲まれて演壇に立った。
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南米ボリビアで19日に行われた大統領選決選投票について、右派のキロガ(Jorge "Tuto" Quiroga)元大統領が敗北を認めた。
選挙管理委員会によると、開票率99%時点で中道のパス(Rodrigo Paz)上院議員の得票率は54.6%、キロガ氏は45.4%。投票率は87%(速報値)であった。
選管の委員長は記者団に対し、「この差は覆せないだろう」と語った。
2023年以降、ボリビアは外貨準備の不足、米ドル不足に苦しめられ、国民は自身の貯蓄にアクセスできず、輸入も阻害されている。
先月の消費者物価指数(CPI)は前年比で23%増となり、1991年以来の水準に達した。
燃料不足が国を麻痺させ、ドライバーは給油のために数日間も列に並ぶことが常態化している。
パス氏とキロガ氏は2006年にボリビア初の先住民族大統領となったエボ・モラレス(Evo Morales)元大統領の与党・社会主義運動(MAS)による財政赤字を招くポピュリズム政策との決別を誓っている。
パス氏は19日夜、妻と4人の子供に囲まれて演壇に立った。「今日、国民は確信した。この政府が解決策をもたらすだろうと。我々は国のために必要な措置を講じる...」
開票結果発表後まもなく、キロガ氏は敗北を認めた。
キロガ氏の一部の支持者は不正があったと主張。しかし、キロガ氏は支持者に冷静さを呼びかけ、「国が一致団結して進行中の危機に対処することが重要である」と強調した。
パス氏は選挙期間中、闇市場の合法化し、「無駄な」補助金を段階的に廃止し、国民が蓄えたドルを銀行に戻すことで資金を調達すると主張していた。
一方、モラレス氏は在任中、天然ガスに依存した経済を構築。その後、大統領の任期上限を廃止し、2019年の選挙で4選を決めたものの、紆余曲折の末、辞任。この際、治安当局によるデモ取り締まりで34人が死亡した。
憲法裁は昨年11月、2023年の裁判所命令を再確認し、「大統領は連続であるか否かにかかわらず、2期以上務めることはできず、3選は認められない」と裁定した。
モラレス氏は辞任後、国外に逃亡。2020年に帰国した。
検察は24年12月、モラレス氏の逮捕状を請求。裁判所は今年1月、出廷を拒否したとして、モラレス氏の逮捕状を発行した。
2016年に15歳少女との間に子供をもうけたと告発されているモラレス氏は逮捕状を無視してコチャバンバの農村部に潜伏中。数千人の支持者が警備しているため、警察も近づくことができずにいる。