逮捕のブラジル前大統領、逃亡計画を否定「幻覚が原因」
連邦警察は22日未明、禁固刑を回避するために逃亡を企てたとして、ボルソナロ氏を逮捕。捜査官が同氏の自宅に突入し、身柄を確保した。
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逃亡を企てたとして逮捕されたブラジルのボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領は23日、最高裁判所に対し、「神経衰弱と幻覚の影響で足首の監視モニターを取り外そうとした」と説明した。
連邦警察は22日未明、禁固刑を回避するために逃亡を企てたとして、ボルソナロ氏を逮捕。捜査官が同氏の自宅に突入し、身柄を確保した。
クーデター未遂裁判を担当する最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事によると、ボルソナロ氏の足首に装着していた監視モニターが午前0時8分に異常を検知したという。
当局はこれを受け、最高裁にボルソナロ氏の逮捕状を請求。最高裁はこれを許可した。
最高裁が23日に公開した文書によると、ボルソナロ氏は判事と面会した際、監視モニターに盗聴器が仕掛けられているという「幻覚」を見たため、取り外そうとしたと説明したという。
またボルソナロ氏は逃亡を企てたという警察の主張を否定。服用する薬が変わったことで神経衰弱に陥り、幻覚を見たと述べた。
さらにボルソナロ氏は「これほどの規模の精神崩壊を過去に経験した記憶はない」と説明した。
文書には、ボルソナロ氏が判事に「睡眠不足で”ある種の妄想”を抱き、それが足首のモニターを外そうとする異常な行動につながったと説明した」と記されている。
5人の判事で構成される最高裁のパネルは9月、4人がボルソナロ氏の有罪を支持。禁固27年3ヵ月の実刑判決を言い渡した。
最高裁は今月初めに控訴請求を全会一致で棄却したが、近日中に新たな審理が行われる見込みである。
ボルソナロ氏は最高裁の命令に違反したとして、8月以降自宅軟禁下に置かれていた。刑期はまだ確定していない。
