◎9人の遺体は今月13日、北部パラ州ベレン沖を漂流していたボートの中から発見された。
ブラジル北部パラ州の州都ベレンで25日、アフリカ系移民9人の合同葬儀が執り行われた。
9人の遺体は今月13日、ベレン沖を漂流していたボートの中から発見された。
捜査当局によると、ボート内で発見された書類から、犠牲者は西アフリカのマリとモーリタニアの移民とみられ、今年1月17日以降にモーリタニアを出港したという
葬儀には国連難民高等弁務官事務所、赤十字、国際移住機関、ブラジル連邦警察や海軍など、ボートの発見と救助に関わった組織の関係者が参列した。
このボートはモーリタニアの漁師が使っているものと特徴が似ており、アフリカ北西部・スペイン領カナリア諸島を目指していたとみられる。
捜査当局によると、ボートには25着のレインコートと27台の携帯電話が残されていたという。
TVグローボは関係者の話しとして、「少なくとも25~27人が乗船していたとみられ、マリとモーリタニア以外の国籍の人が乗っていた可能性もある」と伝えている。
9人の遺体は腐敗が進み、一部白骨化していたと報告されている。
アフリカ北西部からカナリア諸島を目指す航路は世界で最も危険なルートのひとつであり、毎年数百人が死亡または行方不明になっている。
スペイン内務省によると、今年カナリア諸島に到着した移民は2月末時点で約1万2000人。昨年同時期の6倍以上に急増したという。
その大半がモリータニアから出港したとみられる。昨年通年の到着者は過去最多の5万5618人であった。
カナリア諸島を見失った移民が助かる可能性はゼロに近い。生存者によると、途中で脱水症状・栄養失調で命を落とす者や自暴自棄になって海に飛び込む者もいるという。