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ブラジル当局、リオ市内で武装ギャング摘発、8人死亡、一般市民も犠牲に


リオデジャネイロでは近年、スラム街を対象とした警察作戦が頻繁に実施され、多数の死傷者を伴うケースも少なくない。
2026年3月18日/ブラジル、リオデジャネイロ、市内をパトロールする治安部隊(AP通信)

ブラジル・リオデジャネイロで18日、州警察および軍による大規模な治安作戦が行われ、少なくとも8人が死亡した。死亡者の中には地元の麻薬組織の幹部とされる人物が含まれており、住民1人も銃撃戦に巻き込まれて命を落とした。

当局によると、作戦には約150人の要員が投入され、複数のスラム街に同時進入した。標的は国内で強い影響力を持つ犯罪組織の関係者で、事前の情報収集に基づいて計画されたという。治安部隊が現場に突入した直後から激しい銃撃戦が発生し、容疑者とみられる複数人がその場で射殺された。

死亡した幹部は地域で活動する麻薬密売ネットワークの中心人物とされ、長年にわたり当局の追跡対象になっていたとされる。警察はこの人物の排除が組織の弱体化につながるとの見方を示している。一方で、銃撃戦の混乱の中で一般市民が犠牲になったことから、作戦の安全性に対する懸念も広がっている。

またこの作戦中、容疑者による人質事件も発生した。武装した男らが住宅に立てこもり、住民の男女を拘束、警察の介入により女性は救出された。しかし男性は死亡が確認され、事件の経緯について調査が進められている。さらに警察官2人も負傷し、病院で手当てを受けた。

作戦後には犯罪組織側による報復とみられる攻撃も確認された。武装集団が市内のバスに放火し、主要道路を封鎖するなどして交通網に混乱をもたらした。これに対し警察が警戒を強化し、関与した疑いのある複数人を拘束したとしている。

現場ではライフル銃や拳銃など多数の武器が押収された。警察は今回の作戦について、地域住民を犯罪組織の影響から守るための措置だったと強調している。しかし、地元の一部政治家や人権団体は、強硬な取り締まりがかえって住民の安全を脅かしていると批判し、無差別的な武力行使の可能性を問題視している。

リオデジャネイロでは近年、スラム街を対象とした警察作戦が頻繁に実施され、多数の死傷者を伴うケースも少なくない。こうした状況は治安維持と人権保護のバランスをめぐる議論を国内外で呼び起こしている。今回の作戦もまた、その是非を巡る論争を一層深める結果となりそうだ。

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