ブラジル前大統領、ヘルニア手術のため刑務所から一時出所、最高裁が許可
ボルソナロ氏は先月から禁錮27年の刑に服している。手術の具体的な日程はまだ公表されていない。
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ブラジル最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事は19日、ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領がヘルニアの手術を受けるため、刑務所を一時的に離れることを認めた。
ボルソナロ氏は先月から禁錮27年の刑に服している。手術の具体的な日程はまだ公表されていない。
現地メディアによると、ジモラエス氏はボルソナロ氏の鼠径部にヘルニアがあり強い痛みを伴っているとの診断を受け、手術が必要と医師団が判断したことを理由に許可を出した。
ただし、手術後自宅軟禁に移すという要望については却下した。ボルソナロ氏の弁護団は健康上の理由から自宅軟禁を求めていた。
ボルソナロ氏は2022年まで大統領を務めた右派政治家であり、2018年の選挙キャンペーン中に腹部を刺され、手術を受けた。その後も複数回の手術歴を持ち、今回のヘルニアは日常生活に支障を来すレベルの痛みがあると伝えられている。
現在、ボルソナロ氏は首都ブラジリアの連邦警察本部内にある独房に収容されている。同氏は他の受刑者と接触せず、ベッドや個室トイレ、冷暖房、テレビ、机などが備えられた部屋に滞在している。医師・弁護士との面会は制限なく認められているが、その他の訪問者については最高裁の許可が必要である。
ボルソナロ氏と側近たちは2022年の選挙敗北後に政権転覆を企てたとして、実刑判決を受けた。司法当局によると、陰謀にはルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領や副大統領、ジモラエス氏の暗殺計画も含まれていたとされる。
有罪判決は他にも、武装犯罪組織の指導や民主的統治の暴力的廃止を試みた罪など多岐にわたる。ボルソナロ氏はこれらの罪を一貫して否認している。
専門家はボルソナロ氏の手術について、法的には医療上の必要性が認められれば刑務所外での治療が可能であると説明する一方、政治的な影響や世論の反応についても注視している。特にボルソナロ氏の支持者の間では、手術などを巡る扱いが政治的対立の新たな焦点となる可能性が指摘されている。
さらに、ボルソナロ氏の刑期短縮や自宅軟禁をめぐる議論が国会でも続いており、今後の政治動向が注目が集まっている。
今回の決定により、ボルソナロ氏は医療上の理由で一時的に刑務所を離れることが可能となったが、自宅軟禁は認められず、収容再開後も厳しい監視が続く見込みである。
