ブラジル・デジタル銀行PicPay、米国IPOで25億ドルの評価額目指す
サンパウロを拠点とするPicPayは米ナスダック市場に「PICS」のティッカーで上場する見通しで、約4億3430万ドルの資金を調達することを目標としている。
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ブラジルのデジタル銀行大手PicPay(ピックペイ)は20日、米国株式市場での新規株式公開(IPO)に向けた詳細を発表し、最大25億ドル(約3949億円) の企業評価を目指す計画を明らかにした。サンパウロを拠点とするPicPayは米ナスダック市場に「PICS」のティッカーで上場する見通しで、約4億3430万ドルの資金を調達することを目標としている。
発表によると、PicPayはIPOで2285万7143株の新規株式を発行し、1株当たりの価格帯を16~19ドルに設定する予定だ。価格帯の上限で算出した場合、同社の時価総額は約24.6億ドルに達する見込みで、これはブラジル企業の米国市場での評価としては近年でも高水準となる。なお株式の価格は1月28日までに最終的に決定される予定である。
PicPayは2012年に設立されたデジタル銀行で、当初はモバイル決済やQRコードによる取引サービスからスタートした。現在ではクレジットカード、保険、分割支払サービス(Buy Now, Pay Later)など幅広い金融商品を提供し、2025年9月時点で4200万人以上のアクティブユーザーを抱えていると報告されている。
同社のIPOはブラジル企業が米国で上場する動きが低迷していた中での再始動を象徴するものだ。ラテンアメリカ最大の経済圏であるブラジルの企業による米国市場への進出は昨年フィンテック大手のAgibank(アギバンク)もニューヨーク証券取引所(NYSE)への上場申請を行い、同様の動きを見せている。過去には同国を代表するデジタル銀行Nubank(ヌーバンク)が2021年にNYSEでIPOを実施しており、PicPayの上場はこれに続く重要な事例と位置付けられている。
PicPayのIPOには米国やラテンアメリカに注力する成長投資ファンドBicycle Capital(バイシクル・キャピタル)が主要支援者として参加し、約7500万ドルを購入する予定とされる。また、シティグループ、BofAセキュリティーズ、RBCキャピタルマーケッツが共同でグローバル調整役を務める。これらの主要金融機関はPicPayの上場プロセス全体を統括し、投資家向けの説明や株式販売戦略を担当する。
PicPayは2021年にも米国での上場を計画していたが、市場環境の悪化を受けて計画を見送っていた経緯がある。今回の再挑戦はインターネット銀行やフィンテックへの投資意欲が改善しているとの見方が背景にある。ただし、金利の高さや世界的な経済不透明感は依然としてIPO市場に影を落としており、株式公開が成功するか否かが注目される。
金融アナリストはPicPayのIPOが成功すれば、ブラジル企業の米国資本市場での存在感を高めるとともに、同地域のフィンテックセクター全体の評価向上につながる可能性があると指摘する。特に収益性の高い金融商品への拡大やユーザー基盤の成長は投資家評価を左右する重要な要素とされる。
