ブラジル最高裁、ボルソナロ前大統領の逮捕見送る
ジモラエス氏は24日、ボルソナロ氏に課した命令を維持したうえで、「メディアのインタビューを受けることは禁じられていない」と強調した。
.jpg)
ブラジルの最高裁判所は24日、ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領を逮捕しないと決定したが、今後命令に違反することがあれば勾留される可能性があると警告した。
最高裁は先週末、ボルソナロ氏が自らに対する裁判をやめさせようと米政府に接触するなどして、司法を妨害したとして、夜間と週末の自宅軟禁やSNSの使用禁止などを命じた。
最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事は21日、ボルソナロ氏がこの命令に違反したと非難し、弁護士に説明を求めていた。
ボルソナロ氏の弁護団は命令を遵守していると反論した。
ジモラエス氏は24日、ボルソナロ氏に課した命令を維持したうえで、「メディアのインタビューを受けることは禁じられていない」と強調した。
ジモラエス氏は3日前、ボルソナロ氏がジャーナリストのインタビューに応じたことで命令に違反したと非難。「報道機関がこのインタビューの一部をSNSに投稿した」と指摘していた。
ジモラエス氏はボルソナロ氏の弁護団に対し、メディア出演について24時間以内に説明するよう求め、応じない場合は逮捕状が発布される可能性があると警告した。
またジモラエス氏は18日の命令について、「ボルソナロ氏のSNSの使用には第三者を通じた投稿も含まれる」と主張した。
ジモラエス氏は24日の決定の中で、ボルソナロ氏を逮捕しないと決定。ただし、命令が遵守されていないことに「疑いの余地はない」と、ボルソナロ氏の息子であるエドゥアルド・ボルソナロ(Eduardo Bolsonaro)下院議員が父親に有利になるよう、父親の発言をSNSに投稿したと指摘した。
ジモラエス氏は今年3月、トランプ(Donald Trump)米大統領の盟友であるボルソナロ氏を被告人と認定し、公判の開始を決定した。
ボルソナロ氏はクーデターを起こした罪などで起訴されている。
トランプ氏はボルソナロ氏が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、8月1日からブラジル産輸入品に50%の関税を課すと表明。この裁判を打ち切るよう要求している。