ブラジル、COP30で企業と地方自治体の気候目標推進を提案

COP30は米国の協定再離脱により、史上最も厳しい資金集め交渉を強いられる可能性がある。
洋上風力発電(Getty Images)

ブラジルで今年開催されるCOP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)の議長を務めるド・ラーゴ(Andre Correa do Lago)氏は20日、企業、州、都市からの削減目標の表明を包含する形で温室効果ガス削減のコミットメントを拡大する提案を行った。

ブラジルは米国がパリ協定から離脱した後のグローバルな気候変動対策の強化を目指している。

ド・ラーゴ氏を含む政府の高官たちはCOP30の準備を進める中で国連と緊密に連携し、9月までに温室効果ガス排出削減の新たな目標を提出するよう各国に促してきた。

ド・ラーゴ氏は20日に公表した書簡の中で、「国だけでなく多様な主体からの目標を組み込んだグローバルNDC(パリ協定に基づいて各国が提出する温室効果ガス排出削減目標)を創設し、パリ協定の進捗をレビューするプロセスを変革する提案を行った」と述べた。

またド・ラーゴ氏はこのイニシアチブを米国の政策変更への対応として位置付けなかったものの、トランプ政権のパリ協定からの離脱にもかかわらず、気候変動の抑制に貢献するとのコミットメントを維持している米企業や地方自治体の参加を可能にする点についても言及した。

トランプ(Donald Trump)米大統領は就任初日にパリ協定から離脱する大統領令に署名した。

COP30は米国の協定再離脱により、史上最も厳しい資金集め交渉を強いられる可能性がある。米国は途上国の再エネ化を支援する最大の資金提供国である。

パリ協定は国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)に基づく協定。世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度より低く、1.5度に抑える目標を掲げ、参加国に温室効果ガスの排出削減を求めている。

COP30は北部パラ州ベレンで11月10日~21日に行われる。

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