▽中南米最大の経済大国であるブラジルはトランプ米政権が今月初めに発表した「相互関税」による貿易フローの変化から恩恵を受ける可能性がある。
とブラジルのルラ大統領(Getty-Images).jpg)
ブラジルのプラゼレス(Tatiana Prazeres)貿易局長は10日、多国間主義への支持を再確認し、貿易協定ネットワークの拡大を図りながら、米国との貿易交渉を追求すると表明した。
プラゼレス氏は首都ブラジリアの経済団体イベントで演説。「米国との交渉を追求する」と語った。
またプラゼレス氏はブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイが参加する「南米南部共同市場(メルコスール)」がEU市場への販路を拡大できれば、輸出の多様化につながると強調した。
メルコスールは欧州自由貿易連合(EFTA)とも協議を進めている。
中南米最大の経済大国であるブラジルはトランプ米政権が今月初めに発表した「相互関税」による貿易フローの変化から恩恵を受ける可能性がある。
プラゼレス氏はブラジルの最大の貿易相手国であり、大豆、鉄鉱石、原油の主要な買い手である中国について、「衛生・植物検疫・規制上の障壁を撤廃できれば、ブラジルの輸出を大幅に増やすことができる」と述べた。
またプラゼレス氏は、「中国はブラジル製品の主要な買い手である一方、その輸出は消費財や自動車などの国内産業を圧迫している」と指摘。二国間関係を「二重構造」と呼んだ。
2018~20年にかけての米中貿易戦争では中国の投資家や企業が米国からブラジルにシフト。その結果、多くの国内産業が恩恵を受けた。
トランプ(Donald Trump)大統領は9日、物議を醸している相互関税について、国・地域ごとに設定した上乗せ部分を90日間停止すると発表。一律10%の基本関税は維持するとした。ブラジルは10%であった。