ブラジル最高裁、ボルソナロ前大統領に自宅軟禁命じる
トランプ政権が左派のルラ政権への嫌がらせを始めて以来、ルラ大統領の支持率は右肩上がりで上昇している。
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ブラジル最高裁は4日、クーデターを起こした罪などで起訴されているボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領に対し、自宅軟禁を命じた。
トランプ米政権の圧力に直面している最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事はボルソナロ氏が息子を含む3人の国会議員を通じてコンテンツを拡散することで、自分に課された命令に違反したと指摘。自宅軟禁を命じた。
ボルソナロ氏の弁護士は声明で、速やかに控訴すると表明した。
ボルソナロ氏は3日、リオデジャネイロで開催された反政府集会にオンラインで参加。「こんにちは、私のブラジル。皆さんに抱擁を。これは私たちの自由のためです」と発言した。
最高裁は先月、ボルソナロ氏が自らに対する裁判をやめさせようと米政府に接触するなどして、司法を妨害したとして、夜間と週末の自宅軟禁やSNSの使用禁止などを命じていた。
ボルソナロ氏の弁護士は声明で、「リオの3日の抗議デモにおける携帯電話での発言は合法であり、犯罪行為とみなすことはできない」と主張した。
決定から数時間後、米国務省の西半球事務局はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「トランプ政権はジモラエス判事がボルソナロ氏に下した命令を非難し、制裁対象の行為を助長する者すべての責任を追及する」と表明した。
ブラジル政府はこの声明についてコメントしていない。
トランプ氏は先月初め、盟友のボルソナロ氏が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、この裁判を打ち切るよう要求。ブラジル産の輸入品に50%の関税を課した。ただし、多くの例外が適用されている。
ルラ氏はこれに猛反発。司法への介入は受け入れられないと応戦し、自国の法律に基づいて「相応の措置を取る」としている。
ボルソナロ氏はクーデターを起こした罪などで起訴されている。
ジモラエス氏は今年3月、ボルソナロ氏を被告人と認定し、公判の開始を決定した。
ボルソナロ氏はこの裁判を政治的動機によるものと批判し、トランプ氏に助けを求めている。
米財務省は先月末、人権侵害の加害者や腐敗した役人を対象とする「グローバル・マグニツキー人権責任法」を制裁の根拠に、ジモラエス氏に制裁を科した。
この決定により、ジモラエス氏が米国内で所有する資産や財産は全て凍結された。
ジモラエス氏はこの制裁を嘲笑し、「仕事を続ける」と表明した。
トランプ政権が左派のルラ政権への嫌がらせを始めて以来、ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領の支持率は右肩上がりで上昇している。