◎ペトロポリスはリオデジャネイロ州の中部に位置する避暑地で、標高は約800m。
2月16日、ブラジル南部リオデジャネイロ州の町で大規模な土砂崩れが発生し、これまでに少なくとも78人の死亡が確認された。
同州のクラウディオ・カストロ州知事は16日、記者団に対し、「ペトロポリスの山間部で発生した洪水と土砂崩れの死者は78人に達した」と明らかにした。
ペトロポリスの市長は非常事態を宣言し、行方不明者の救助と支援に全力を挙げると述べた。行方不明者の数は明らかにされていない。
州政府によると、ペトロポリスでは15日から大雨が降り、3時間雨量は258mmに達し、1か月の平均降水量を上回ったという。カストロ州知事は土砂崩れで少なくとも400人が自宅を失い、これまでに21人が救助されたと述べた。
ペトロポリスはリオの中部に位置する避暑地で、標高は約800m。ブラジル初の計画都市のひとつで、地盤の安定している地域には大邸宅が立ち並んでいる。
しかし、人口は無秩序に増え続け、山の斜面には小さな住宅が密集して建っており、その多くは住宅に適さない脆弱な地盤の上に建設された。一部の専門家は森林伐採、排水の不備、脆弱な地盤、大雨が組み合わさり、大規模な土砂崩れを引き起こしたと指摘している。
地元メディアは、地域の住民が救助活動に参加している様子を報じた。警察は二次災害が発生する可能性があるため、現場に近づかないよう呼びかけている。
ロシアを公式訪問中のジャイール・ボルソナロ大統領は緊急支援の提供に向けた取り組みを進めていると声明を発表した。
連邦政府によると、180人以上の兵士が現地入りし、16日遅くには別の捜索部隊が到着する予定だという。
ペトロポリスと他の町にまたがる山地では2011年にも大規模な土砂崩れが発生し、900人以上が死亡している。州政府は地滑りのリスクを軽減させる計画を進めているが、工事は遅々として進んでいない。
カストロ州知事は記者団に、「現場は戦場のような有様で、州政府の重機をすべて動員して救助活動にあたっている」と述べた。
州消防局と予報官によると、ペトロポリス周辺の天候は16日午後から翌日にかけて雨の予報で、大雨になる可能性もあるという。
ブラジル南東部は年初から豪雨に見舞われており、1月上旬にはミナスジェライス州、下旬にはサンパウロ州で洪水が発生し、40人以上が死亡している。