◎フェレイラコエリョCEOは就任からわずか2カ月で辞任に追い込まれた。
ブラジル国営石油会社ペトロブラスのCEO(最高経営責任者)は20日、燃料価格をもっと抑えるべきというボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領や議会議員の圧力に屈し、辞任した。
フェレイラコエリョ(José Mauro Coelho)CEOは就任からわずか2カ月で辞任に追い込まれた。
AP通信は政府筋の情報を引用し、「フェレイラコエリョ氏はボルソナロ氏が燃料価格高騰の責任をペトロブラスに負わせ、一部の議会議員が同社に対する調査委員会を設置すると議論し始めたことを受け、辞任を選択した」と報じている。
ボルソナロ氏は5月25日にフェレイラコエリョ氏を解任すると発表したが、ペトロブラスの幹部は株主総会で後任を選定するまで現在の体制を維持するとしていた。
ガソリン価格の高騰は10月の大統領選で再選を目指すボルソナロ氏の支持率を押し下げている。各紙の世論調査によると、ボルソナロ氏が左派候補のダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)元大統領に勝利する可能性は低いとみられる。
ペトロブラスは20日、ボルソナロ氏の支持を得た後任が同社の評議会で承認されるまで、取締役のボルヘス(Fernando Borges)氏を暫定CEOとすると発表した。
フェレイラコエリョ氏の前任のシルバエルナ(Joaquim Luna e Silva)氏は燃料価格の設定方法を巡る対立で3月に解任された。