ブラジル最高裁判事、トランプ制裁を一蹴「職責全うする」
トランプ大統領は先月初め、盟友のボルソナロ氏が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、8月1日からブラジル産の輸入品に50%の関税を課すと表明。この裁判を打ち切るよう要求した。
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ブラジル最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事は1日、トランプ米政権による制裁を無視し、「仕事を続ける」と表明した。
米財務省は7月30日、人権侵害の加害者や腐敗した役人を対象とする「グローバル・マグニツキー人権責任法」を制裁の根拠に、ジモラエス氏に制裁を科した。
この決定により、ジモラエス氏が米国内で所有する資産や財産は凍結されることになった。
ジモラエス氏は声明で、「我が国の司法は外国の威圧に屈しない」と強調した。
またジモラエス氏は「憲法の守護者である最高裁判所の判事のひとりとして、職責を全うする」と述べた。
さらに、ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の裁判に言及。「クーデター未遂の真の責任者が誰であるかについて、ブラジル社会全体に最終的な答えを提供できるよう、仕事を続ける」と述べ。「内部または外部の影響は一切受けず、法に基づき審理する」と誓った。
トランプ(Donald Trump)大統領は先月初め、盟友のボルソナロ氏が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、8月1日からブラジル産の輸入品に50%の関税を課すと表明。この裁判を打ち切るよう要求した。
ボルソナロ氏はクーデターを起こした罪などで起訴されている。
ジモラエス氏は今年3月、ボルソナロ氏を被告人と認定し、公判の開始を決定した。
ボルソナロ氏はこの裁判を政治的動機によるものと批判し、トランプ氏に助けを求めている。
米国務省は2週間前、ジモラエス氏とその家族、裁判所関係者などのビザ(査証)を取り消した。
ボルソナロ氏は息子を通じて米政府高官と接触。ジモラエス氏らに制裁を科すよう働きかけていたとされる。