◎ブラジル政府はニカラグアとの外交関係を一時的に凍結した。
ブラジル政府は8日、駐ニカラグア大使に国外退去を命じたと明らかにした。
ブラジル外務省の報道官はAP通信の取材に対し、「これはニカラグアのオルテガ政権による駐ブラジル大使の追放に基づくものであり、首都ブラジリアの駐ニカラグア大使に退去を命じた」と語った。
それによると、ニカラグアの駐ブラジル大使は与党・サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)発足45周年を記念する式典に出席しなかったため、国外退去を命じられたという。
オルテガ(Daniel Ortega)大統領とブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領の関係は昨年急速に悪化。溝が深まっているように見える。
ルラ氏はオルテガ氏に対し、カトリック聖職者に対する弾圧を止めるよう要請。オルテガ氏はこれを無視し、民主派勢力寄りの聖職者を次々と逮捕している。
これを受け、ブラジル政府はニカラグアとの外交関係を一時的に凍結した。
ブラジリアの在ニカラグア大使館によると、大使はブラジル外務省が決定を下す前に出国したという。
2018年に大規模な抗議デモが勃発して以来、オルテガ政権は3500以上のNGOを閉鎖または非合法化してきた。このデモにより数百人が死亡、野党政治家ら数百人が逮捕・投獄された。
弾圧が加速した結果、数十万人が国外に流出。その大半が隣国コスタリカに渡り、米国を目指している。