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ブラジル25年第2四半期GDP+0.4%、市場予想上回るも減速鮮明に

この数値は農産物生産が業績を押し上げた25年第1四半期(1~3月)の1.3%増(改定値)から急減速したことを示している。
ブラジル、最大都市サンパウロ(ロイター通信)

ブラジルの統計機関IBGEが2日、経済統計を更新した。

それによると、25年第2四半期(4~6月)の経済成長率は前期比0.4%増となり、市場の予想を上回った。

ロイター通信のエコノミストはプラス0.3%と予想していた。

この数値は農産物生産が業績を押し上げた25年第1四半期(1~3月)の1.3%増(改定値)から急減速したことを示している。

市場はこの結果について、「全体として、今後数四半期は前期比0.3%程度のGDP成長を見込み、25年の年間成長率は2.3%、翌年は2.0%を下回ると予想する」と指摘している。

中央銀行は6月の金融政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げ、15.00%に設定。7月は据え置いた。

これは2006年7月以来の水準で、インフレを抑制すると期待されている。

中銀はセクターや指標ごとにデータがまちまちとなる中、国内経済に成長鈍化の兆しが見られることから、インフレ抑制のため「長期にわたり」この金利を維持する方針を示している。

ブラジル経済の主な問題点は深刻な貧困と不平等、インフレ、高い失業率、そして政府の財政赤字である。

貧困層と中間層の格差が広がっており、社会的な不平等が経済の成長を妨げている。さらに、インフレ率が高く、物価が安定しないため、生活費が増加し、特に低所得層にとっては大きな負担となっている。

失業率も依然として高く、若者や労働市場に参入する新規就業者の機会が限られている。また、政治的な不安定や汚職問題が経済政策に悪影響を与え、効率的な改革が進まない状況である。

加えて、ブラジルのインフラは古く、投資が不足しているため、国内外の企業活動にも障害となっている。

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