ブラジル当局、COP30の会場変更要請を拒否、ホテル代高騰で懸念高まる
ベレンの人口は約150万人。パラ州の州都、アマゾン川河口の最大都市だが、サンパウロやリオデジャネイロのような主要都市に比べるとホテルの数が圧倒的に少なく、COP30の参加者や環境活動家が一斉に集まることで、その期間中、宿泊代が高騰すると予想されている。
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ブラジルが今年11月に北部パラ州ベレンで開催されるCOP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)の会場を変更するよう圧力をかけられている。
COP30の議長を務めるド・ラーゴ(Andre Correa do Lago)氏は先週末の記者会見で、「COPはベレンで開催される。首脳サミットもベレンで開催される。プランBはない」と語った。
COP30の特別担当官であるコレイア(Valter Correia)氏は先月、ベレンの宿泊費の高騰がCOP30への参加を妨げる可能性に怒りを表明した開発途上国や島嶼国の代表の要望に応えるため、優先的に対応する計画を概説した。
今年のCOPにも世界の大半の政府が参加する予定だ。
地元メディアによると、サミット前の議論は「地球沸騰化」を懸念する声やグローバルな気候政策ではなく、宿泊や物流に関する懸念が中心となっている。
複数の開発途上国はホテル不足により急騰した宿泊費を負担できないかもしれないと警告しているのだ。
ベレンの人口は約150万人。パラ州の州都、アマゾン川河口の最大都市だが、サンパウロやリオデジャネイロのような主要都市に比べるとホテルの数が圧倒的に少なく、COP30の参加者や環境活動家が一斉に集まることで、その期間中、宿泊代が高騰すると予想されている。
COPの一部の事務局メンバーもホテル不足に深刻な懸念を表明している。
COP30は11月10日~21日に行われる予定だ。
ブラジル政府は地球温暖化、違法伐採、干ばつの影響で熱帯雨林が消失しつつあることに焦点を当てるため、ベレンでのCOPの開催を熱望していた。
ロイター通信は4日、事務局会議に参加した当局者の話しとして、「国連気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)がCOP30のセクションの一部をベレン以外の都市に変更するようブラジル当局に助言した」と報じた。
ド・ラーゴ氏は4日、この報道について、「COP30の開催都市の変更に関する議論はない」と強調した。
ド・ラーゴ氏は以前、ベレンのホテルは政府からの要請にもかかわらず、通常の料金の10倍、ひどいところは15倍の料金を請求していると述べていた。