◎レアルは18日、対米ドルで2.8%値を下げ、「1ドル=6.26レアル」まで下落。最安値を更新した。
レアルは1994年の導入以来、最も弱い水準まで下落している。ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領の財政支出抑制への取り組みに対する投資家の不満が下押し要因となった。
ルラ氏が支持する700億レアルの政府支出削減を目指す法案は現在、下院で審議されている。しかし、一部の市場関係者はブラジルの財政を補強するには不十分と指摘している。
レアルは18日、対米ドルで2.8%値を下げ、「1ドル=6.26レアル」まで下落。最安値を更新した。
今年、レアルは対米ドルで23%近く下落した。
下院は17日遅くに法案の一部を承認したが、最低賃金の引き上げ制限など重要な部分ではまだ折り合えていない。国会は20日に閉会する。
ブラジル中銀はレアルの流出を食い止めるために何度も市場に介入してきたが、今のところ下落を止めることはできていない。エコノミストによると、通貨安は輸入コストを押し上げ、早ければ来年1月にもインフレを引き起こす可能性があるという。