ブラジル25年8月インフレ率緩やかに減速=ロイター調査
統計機関IBGEは10日に公式データを発表する予定だ。
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ブラジルの先月の消費者物価指数(CPI)は高水準を維持しつつも、緩やかな減速の兆しがみられたようだ。
ロイター通信は9日、エコノミスト22人のデータを更新し、25年8月のインフレ率を前月比0.15%減と予想した。
統計機関IBGEは10日に公式データを発表する予定だ。
中央銀行は今後も慎重な姿勢を維持すると予想されている。
前年比で見ると、25年8月のインフレ率は5.09%増。2月の5.06%以来の低水準ではあるが、それでも中銀の目標値である3%±1.5ポイントを上回っている。
中銀は24年9月から引き締めを開始。7月までに政策金利を4.50%引き上げて15.00%に設定し、7月30日の金融政策決定会合で金利を据え置いた。
ブラジルのインフレ率は近年、大きく変動している。2020年のインフレ率は約3.21%で、前年(2019年3.73 %)からやや低下した。
2021年に入るとインフレは急速に加速し、8.30 %に達した。これはコロナ禍や供給制約、為替変動などが複合的に影響したためと見られる。
その後、2022年はさらに悪化し、9.28 %に上昇した。しかし、2023年には緩やかに収まり、4.59 %に低下する。
2024年の終値はおおよそ4.37 %前後だったとされる。
2025年に入ってからの状況としては、年初からインフレ率は上昇傾向を見せた。25年3月には前年比で5.26 %に達し、中銀の目標値を上回った。
さらに25年6月時点でも5.35 %で推移している。また、同年8月には一時的に物価が下落し、前月比で0.15 %減となったが、12ヵ月換算では依然5.09%と高止まりしている。
中銀はインフレ抑制のため政策金利を大幅に引き上げ、25年初には13.25 %、その後段階的に15 %にまで引き上げた。
同時に、インフレ予測も引き上げていて、25年の予想は5.1 ~ 5.2 %程度、26年は3.7 %、27年第3四半期には3.1 %へ漸近的に落ち着くと見込まれている。
全体を通してみると、2020年の比較的低インフレから、2021~22年にかけて急上昇、2023~24年にかけてやや落ち着いたものの依然目標を上回る状況が続き、25年もその延長線上にある。
中銀は積極的な利上げで対応し、インフレ率は今後数年かけて3%目標へと収束する見通しだ。