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ブラジル中央銀行が利上げサイクル停止、インフレ注視

中銀は24年9月から引き締めを開始。7月までに政策金利を4.50%引き上げて15.00%に設定した。
ブラジル、首都ブラジリア、中央銀行本店(ロイター通信)

ブラジル中央銀行が利上げサイクルを完全に停止した。同行のニルトン・ダビド(Nilton David)金融政策担当理事が7日、明らかにした。

ダビド氏は最大都市サンパウロのイベントで講演。「これは一時停止ではなく、中断だ」と明言した。

中銀は7月30日の金融政策決定会合で金利を据え置いた。

中銀は24年9月から引き締めを開始。7月までに政策金利を4.50%引き上げて15.00%に設定した。

これは2006年7月以来の水準である。

市場は利下げが始まる時期に注目している。

しかし、中銀は慎重な姿勢を維持し、米連邦準備制度理事会(FRB)が政治的圧力にもかかわらず金利を据え置いたのと同じタイミングでその議論から距離を置いた。

ダビド氏は「金利は依然として制限的な水準にあり、同行の計画は概ね予想通り進んでいる」と強調した。

またダビド氏は「この中断は貿易関税により不確実性が高まる状況下で、中銀が過去の措置の影響を把握・理解する時間を確保し、次の一手を決定する前に判断することを目的としている」と述べた。

中銀理事会は6月から、金利を現在の水準で「しばらく」維持すると何度も示唆してきた。

ダビド氏は「中銀はブラジルの経済が現在、潜在成長率を上回るペースで成長していると確信している」と指摘。「サービスや建設など、労働集約型部門は既に実施されている引き締め措置の影響を完全に感じるまでに時間がかかる可能性が高い」と付け加えた。

25年7月前半の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.30%増、6月は5.27%であった。中銀のインフレ目標値は3%±1.5ポイントである。

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