SHARE:

ブラジル中央銀行総裁、インフレ期待の収束鈍化を指摘

中銀は24年9月から引き締めを開始。7月までに政策金利を4.50%引き上げて15.00%に設定した。
ブラジル、首都ブラジリア、中央銀行本店(ロイター通信)

ブラジル中央銀行のガリポロ(Gabriel Galipolo)総裁は27日、インフレ期待が公式目標値(3%±1.5ポイント)への収束を遅らせていることを理由に、政策金利を制限的な水準に維持する必要性を強調した。

ガリポロ氏は最大都市サンパウロのイベントで講演。「政策当局者が一貫して、現在の15%の政策金利を長期にわたり据え置くべきだと示唆している」と語った。

またガリポロ氏は「中央銀行と市場双方の予想・見通しは依然としてインフレ目標へ緩やかに収束中であり、これがより引き締め的な金融政策を必要としている理由だ」と述べた。

中銀は24年9月から引き締めを開始。7月までに政策金利を4.50%引き上げて15.00%に設定した。

これは2006年7月以来の水準である。

中銀が今週実施した週次エコノミスト調査では、6カ月間横ばいだった27年インフレ予想が初めて低下した。

今年と来年のインフレ予想は米ドルの世界的な弱含みの中で現地通貨が強含んだことも追い風となり、ここ数週間で低下傾向にあった。

それでも市場予測は公式目標の3%を大きく上回り、今年は4.86%、来年は4.33%、2027年は3.97%と予想されている。ガリポロ氏は27日にこの点を強調した。

25年8月前半の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で4.95%増、前月の5.30%から低下した。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします