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ブラジル、国連の宿泊費補助要請を拒否、COP30交渉

COP30は北部パラ州の州都ベレンで開催される。期間は11月10日~21日の予定。
ブラジル、北部パラ州の州都ベレン(ロイター通信)

ブラジル政府は23日、今年11月に開催されるCOP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)において、すべての代表団の宿泊費を補助する案を改めて否定した。

ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領の報道官は22日の声明で、この案を否定していた。

COP30は北部パラ州の州都ベレンで開催される。期間は11月10日~21日の予定。

COP30の特別担当官であるコレイア(Valter Correia)氏は先月、ベレンの宿泊費の高騰がCOP30への参加を妨げる可能性に怒りを表明した開発途上国や島嶼国の代表の要望に応えるため、優先的に対応すると表明した。

ベレンの人口は約150万人。パラ州の州都、アマゾン川河口の最大都市だが、サンパウロやリオデジャネイロのような主要都市に比べるとホテルの数が圧倒的に少なく、COP30の参加者や環境活動家が一斉に集まることで、その期間中、宿泊代が高騰すると予想されている。

ブラジル政府は利用可能な宿泊施設を倍増させるため努力しており、起業家たちもラブホテルやフェリーボートを改装して代表団を受け入れるなど、創意工夫を凝らしている。

しかし、供給は需要に追いつかず、宿泊費が急騰。COP30の開催地変更を求める声が高まっている。しかし、ブラジル当局はこれを受け入れない姿勢を示している。

TVグローボは23日、政府高官の話しとして、「国連気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)は政府に対し、開発途上国の代表団に1日あたり100ドル、先進国からの代表団に50ドルの宿泊補助金を提供するよう求めた」と報じた。

大統領府の首席補佐官は22日、この提案を念頭に置き、「政府が代表団のホテル代を工面することはない」と強調した。

また首席補産官は「政府はすでにCOPの開催に多額の費用を負担しているため、我が国よりもはるかに裕福な国の代表団を含む他国の代表団に補助金を支給するつもりはない」と述べた。

ブラジル政府は地球温暖化、違法伐採、干ばつの影響で熱帯雨林が消失しつつあることに焦点を当てるため、ベレンでのCOPの開催を熱望していた。

地元メディアによると、ベレンのホテルは政府からの要請にもかかわらず、通常の料金の数倍、ひどいところは20倍の料金を請求しているという。

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