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ブラジル政府、在ペルー・メキシコ大使館の保全引継ぎ

今回の事態は、ペルー政府がメキシコによる元首相の亡命許可を理由に関係を断絶したことが発端となったものである。
ペルー、首都リマの裁判所に出廷するチャベス元首相(ロイター通信)

ブラジル政府は25日、ペルーでの外交関係の混乱を受け、ペルーにおけるメキシコの外交代表権を引き継ぐことで合意したと発表した。これは、昨年11月にペルーがメキシコとの外交関係を断絶して以降の対応措置であり、両国の関係改善を図る狙いがあるとみられる。

今回の事態は、ペルー政府がメキシコによる元首相の亡命許可を理由に関係を断絶したことが発端となったものである。問題となっているペルーのチャベス(Betssy Chávez)元首相で、2022年のクーデター未遂をめぐる陰謀事件に関与した疑いで起訴・有罪判決を受けた後、拘束を避けるために首都リマの在メキシコ大使館に逃れた。チャベス氏は罪を否定しているが、ペルー側はメキシコの対応を自国内政への干渉とみなして強く反発した。

ペルー政府は11月に外交関係を断絶すると同時に、駐メキシコ大使を国外退去処分とし、大使館の機能を停止した。その後、メキシコ大使はペルーを離れたものの、領事関係については関係を継続している。

こうした状況を受けてブラジル外務省は声明を出し、メキシコ政府の要請とペルー政府の承認を得て、リマにある在メキシコ大使館の建物や大使公邸、資産、外交文書などの保全を引き受けると表明した。ブラジルが引き継ぐのは外交機能全般ではなく、メキシコ側の代表権と財産管理という限定的な役割である。これにより、メキシコとペルーの関係が再構築されるまでの間、最低限の外交的なつながりが維持される見込みだ。

ブラジル政府の決定により、メキシコ大使館の建物にはブラジル国旗が掲げられていることになる。ブラジルは地域の安定と外交的対話の重要性を強調しており、今回の措置がラテンアメリカ諸国間の緊張緩和に寄与することを期待している。

一方、チャベス氏はメキシコ大使館内に留まっており、ペルー当局は外に出た場合には逮捕すると言明している。チャベス氏をめぐる裁判と政治的対立はペルー国内で深刻な分断を生んでおり、今回の外交断絶はその延長線上にある。

メキシコ政府はこれまでの決定を国際法に基づくものと擁護しているが、ペルー議会は昨年11月、メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領をペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)に指定した。

ペルーとメキシコの関係再構築には、時間と双方の歩み寄りが必要である。ブラジルが仲介的な役割を果たすことで、地域全体の外交的な緊張を緩和する可能性も指摘されており、今後の動向が注目される。

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