◎リオ警察は5月6日、ジャカレジニョ地区のスラム街を支配している犯罪組織、コマンド・ヴェルメーリョの取り締まり作戦を決行した。
2021年5月6日/ブラジル、リオデジャネイロのジ​​ャカレジニョ地区、警察の特殊部隊の隊員(AP通信/Silvia Izquierdo)

ブラジルの現地メディアによると、リオデジャネイロのジャカレジニョ地区で警察と麻薬密売組織の銃撃戦が発生し、警察官を含む少なくとも25人が死亡したという。

リオ警察は5月6日、ジャカレジニョ地区のスラム街を支配している犯罪組織、コマンド・ヴェルメーリョの取り締まり作戦を決行した。

当局者によると、コマンド・ヴェルメーリョは新たな犯罪計画を立てていたという。

警察は声明の中で、「5月6日の作戦は組織の犯罪計画の調査および阻止を目的としていた」と述べた。「犯罪者たちは列車のハイジャック計画を立て、麻薬を密売するために地区の児童を組織に引き抜こうとしていました...銃撃戦の中で隊員のひとり、アンドレ・レオナルド・デ・メロフリアス捜査官が死亡しました」

現地メディアによると、地下鉄の銃撃戦で乗客2人が負傷したが、いずれも命に別状はないという。

コマンド・ヴェルメーリョは人口約40,000人のジャカレジニョ地区を支配しており、主に麻薬密売、強盗、殺人、誘拐、強姦、窃盗などを生業としている。警察は、「組織はライフル、手榴弾、防弾ベスト、マシンガン、C4爆弾、その他の軍事関連の兵器や防具などを所持している」と述べた。

2021年5月6日/ブラジル、リオデジャネイロのジ​​ャカレジニョ地区、住民たち(AP通信/Silvia Izquierdo)

リオのロナウド・オリベイラ警察署長はロイター通信の取材に対し、「6日の作戦はリオ警察史上最大の死者を出した」と述べた。

特殊部隊の致命的な取り締まりを目撃した同地区の住民たちは、ソーシャルメディアで情報を共有した。

ある住民は血まみれになった床の写真を投稿し、「警察の追跡から逃れようとした2人の犯罪者が私の自宅で射殺されました」と述べた。「私は自宅を売却する予定です」

リオデジャネイロ州立大学暴力分析研究所の社会学教授、イグナシオ・カノ氏は地元メディアのインタビューの中で、特殊部隊の致命的な取り締まりを厳しく非難した。「組織がどの程度警察に反抗したかは分かりませんが、24人を撃ち殺す必要があったとは到底思えません」

リオデジャネイロはブラジルで最も危険な州の1つであり、広大な地域が犯罪者の管理下に置かれ、その多くに強力なカルテルが関与していると伝えられている。

これらの危険な組織と対峙するブラジルの警察は、都市での取り締まり中に過度の力を行使したとして非難されることがしばしばある。リオの裁判所は昨年6月、パンデミック中のリオのスラム街での取り締まりを、不可欠と見なされない限り決行できないように制限した。

地元メディアによると、リオ警察は2021年の第1四半期に、1日平均5人以上を殺害したという。これは記録を取り始めて以来最悪の数字で、専門家は、「スラム街での銃撃戦と死亡者は昨年6月以来減少しているが、リオの治安は悪化しているように思える」と述べた。

地元メディアは最高裁判所に6日の作戦が適切だったかどうかを尋ねたが、コメントは得られなかった。

2021年5月6日/ブラジル、リオデジャネイロのジ​​ャカレジニョ地区、麻薬密売組織のアジトの一室(AP通信/Silvia Izquierdo)
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