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ブラジル政府、米国務省高官のビザ取り消し、報復措置


今回の決定は、昨年8月に米国が複数のブラジル政府関係者のビザを取り消したことを受けたものだ。
2025年3月18日/ブラジル、首都ブラジリア、ルラ大統領(ロイター通信)

ブラジル政府は13日、米国務省高官のビザ(査証)を取り消したと発表した。両国間で続く外交摩擦の中で、米側の措置に基づく対応としている。

ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領はトランプ政権でブラジル政策を担当するダレン・ビーティー(Darren Beattie)氏のビザを無効にしたと明らかにした。ルラ氏は、ビーティー氏がブラジルに入国してボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領と面会しようとしたことにも言及し、「その訪問は許可されなかった」と述べ、米国がブラジル政府関係者のビザを取り消したことへの対抗措置だと説明した。

今回の決定は、昨年8月に米国が複数のブラジル政府関係者のビザを取り消したことを受けたものだ。米国務省は当時、キューバ人医師を海外に派遣する医療プログラムとの関係を理由に、ブラジルの当局者らに対してビザの制限や取り消しを行った。これにはパジーリャ(Alexandre Padilha)保健相やその家族も含まれていた。

ルラ氏は米国がパジーリャ氏とその家族のビザを回復するまで、ビーティー氏のブラジル入国を認めない方針を示した。こうした措置は、外交関係における対等な扱いを求める「相互主義」の原則に基づくものだとしている。

さらにブラジル最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事はビーティー氏が首都ブラジリアの刑務所に収監されているボルソナロ氏を訪問することも認めなかった。ジモラエス氏はビーティー氏が申請したビザの目的はサンパウロで開催された鉱物フォーラムへの出席や政府関係者との会合であり、刑務所訪問はその目的に合致しないと判断した。

ボルソナロ氏は2023年のクーデター未遂に関与したとして有罪判決、、27年の禁固刑を言い渡されている。トランプ政権は同氏への対応をめぐりブラジル司法を批判しており、関係する判事らへのビザ制限や制裁を科すなど、両国の関係は近年緊張が高まっている。

今回のビザ取り消しはその対立の延長線上にあるもので、ブラジル政府は自国の主権や外交上の対等性を守るための措置だと強調している。一方、米国とブラジルの間では貿易や政治問題を巡る対立も続き、今回の対応が両国関係にさらに影響を与える可能性がある。

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