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ブラジル・インスタントコーヒー業界、米50%関税の撤廃求める

トランプ米大統領は昨年、ブラジル政府との政治的な摩擦を受けて、ブラジルからの輸入品に対して一部製品を除き50%の追加関税を課した。
ブラジル産コーヒー豆(Getty Images)

ブラジルのインスタントコーヒー業界が米国による50%の輸入関税を維持する決定について説明を求めている。1月23日、サンパウロの業界団体などが明らかにしたもので、米国が多くのブラジル産コーヒー製品への関税を取り下げた後もインスタントコーヒーだけが高関税の対象に残っていることに対する困惑が背景にある。

トランプ(Donald Trump)米大統領は昨年、ブラジル政府との政治的な摩擦を受けて、ブラジルからの輸入品に対して一部製品を除き50%の追加関税を課した。コーヒーに関してはその後、大部分の種類、生豆、焙煎豆、フレーバー付きインスタントやカプチーノブレンドといった製品への関税が撤廃されたが、レギュラーのインスタントコーヒーだけが関税対象として残されたとして、ブラジル側は理由の説明を求めている。

ブラジル・インスタントコーヒー産業協会(ABICS)は関税免除の対象とされた商品の範囲には「フレーバー付きインスタントコーヒー」も含まれているにもかかわらず、通常のインスタントコーヒーが除外されたことは理解できない」と述べた。また、輸出品コードに関する誤解がある可能性があるとして、調査を進めていると明らかにした。

ブラジルの2025年のコーヒー輸出は156億ドルという過去最高の収益を記録したものの、輸出量は前年から約21%減少し、4000万袋(1袋=60キログラム)となった。緑豆コーヒーの輸出は12月に前年同月比で18%減少した一方、インスタントコーヒーの輸出は35%減少して27万3466袋となり、インスタント部門の落ち込みが特に深刻であることが示された。

米国はブラジル産インスタントコーヒーの最大の輸出先であり、この高関税が両国のコーヒー貿易に大きな影響を与えている。ブラジルコーヒー産業協会(ABIC)は米ナショナル・コーヒー協会(NCA)など米国内の業界団体とも協力し、関税が両国経済にとってマイナスであることを訴えている。関税が引き続き両国の需要や価格に悪影響を与える恐れがあるためだ。

関係者はインスタントコーヒー以外のコーヒー製品が関税免除の対象になったことを歓迎しつつも、インスタント品目だけが個別に対象外になっている理由について未だ納得できていないと語る。特に輸出コードの扱いに混乱があるのではないかという見方や、分類上の問題が関税適用の差につながっている可能性が議論されている。

一部の業界関係者は現在の状況が短期的に解決するとは期待していない。今後、米国側との交渉やコーヒー生産状況、天候などが価格や関税適用の見直しに影響を与える可能性があると見られている。加えて、関税が引き続き高水準に維持されるかどうかは、ブラジルの2026年度の作柄や市場需給にも左右されるとの見方が示されている。

インスタントコーヒー業界は今後も説明の明確化と関税撤廃に向けた取り組みを続ける方針であり、両国の貿易関係とコーヒー市場への影響が注目される。

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