ブラジル財務相が辞任、サンパウロ州知事選に出馬へ
ハダド氏はこれまで教育相やサンパウロ市長を歴任し、2018年には大統領選の決選投票に進出した実力者である。
とハダド財務相(AP通信).jpg)
ブラジルのハダド(Fernando Haddad)財務相が20日、サンパウロ州知事選(26年10月投開票)に専念するため辞任した。官報で正式に発表されたもので、ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領の後継候補と目されてきた同氏の動きは、ブラジル政界に大きな影響を与える可能性がある。
ハダド氏は19日、サンパウロ州の選挙集会で州知事選への出馬を表明。「取引のためではなく勝利のために選挙に出る」と強調した。 サンパウロ州はブラジル最大の経済規模と人口を抱える政治的要衝であり、その知事選は国政にも直結する重要な選挙と位置付けられている。
今回の選挙でハダド氏は、現職で再選を目指す右派のフレイタス(Tarcísio de Freitas)知事と対決する見通しだ。フレイタス氏はボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の盟友で、地元メディアの世論調査ではハダド氏が後れを取っている。 そのため選挙戦は厳しいものになるとみられるが、仮に敗北した場合でも、全国的な知名度と政治的資本を高める契機になるとの見方が出ている。
ハダド氏はこれまで教育相やサンパウロ市長を歴任し、2018年には大統領選の決選投票に進出した実力者である。財務相としては税制改革や財政政策の推進に取り組み、ルラ政権の経済運営を担ってきた。一方で、海外からの低価格輸入品への課税などを巡り議論を呼ぶ場面もあった。
後任の財務相にはこれまで副大臣格の役割を担ってきたドゥリガン(Dario Durigan)氏が就任。世界的なエネルギー価格の上昇や中東情勢の影響など不安定な経済環境の中で、難しい政策運営を迫られるとみられている。
また、選挙を控えた政治情勢への配慮から、中央政府は物議を醸している税制改革の先送りを検討しているとも報じられている。 こうした動きは、政権の支持基盤維持と選挙戦略の一環とみられる。
ハダド氏の知事選挑戦は単なる地方選挙にとどまらず、2026大統領選を見据えた布石とも指摘される。ルラ氏の後継問題が注目される中、ハダド氏は勝敗にかかわらず今後の政局の中心人物であり続ける可能性が高い。ブラジル政界は今後、サンパウロ州知事選を軸に大きく動いていくことになりそうだ。
