◎警察はボルソナロ大統領の支持者が最高裁判所を襲撃する可能性があると警告を発し、現地に追加の要員を派遣した。
9月7日、ブラジルのジャイール・ボルソナロ大統領は首都ブラジリアで大規模な独立記念日集会を主催し、最高裁判所の判事を速やかに弾劾するよう支持者に求めた。
警察はボルソナロ大統領の支持者が最高裁判所を襲撃する可能性があると警告を発し、現地に追加の要員を派遣した。
ボルソナロ大統領は独立記念日を祝う演説の中で最高裁判所を厳しく非難し、アレクサンドル・デ・モラエス判事が命じた有権者の投獄を受け入れることはできないと述べた。また、最高裁判所は「ブラジルが望まない状況に直面する可能性がある」と述べ、暴徒化した支持者による襲撃もあり得ると示唆した。
デ・モラエス判事は資金調達、暴力組織の設立、扇動、虚偽の情報を流布した疑いで起訴されたボルソナロ大統領の複数の支持者に有罪を言い渡した。
支持者たちはボルソナロ大統領の熱烈な演説に感激し、叫び、拍手し、陶酔感に襲われた。ある団体は「レジェンド!」と叫び、「私は承認します!再選!ボルソナロ」という極右のスローガンを大声で唱え始めた。
別の団体は「アレクサンドル(判事)、失せろ!」「最高裁判所を撃て!」と唱え、大喝采を浴びた。
ブラジルの大統領選挙は2022年10月に予定されている。
最新の世論調査によると、ボルソナロ大統領の支持率はコロナウイルス対策の失敗で急落し、対立候補のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ前大統領を約9%下回ったという。
ボルソナロ大統領は上院で進められている自分の弾劾調査を非難し、1996年に採用された電子投票システムにしつこく疑問を投げかけ、最高裁判所は政府の迅速なコロナウイルス対策を妨げたと主張した。
最高裁判所はボルソナロ大統領に、電子投票システムが「詐欺」だという証拠を提出するよう求めている。
現地メディアによると、集会開始前に一部の支持者が警察の非常線を突破したが、最高裁判所を取り囲むことはできなかったという。
ボルソナロ大統領は先週、最高裁判所に「最後通告」を出し、これ以上政府の政策を邪魔すれば最悪の事態(軍の介入)に発展する可能性があると示唆していた。
最大都市サンパウロやリオデジャネイロでも同様の集会が開催される予定で、数万の支持者が参加すると見込まれている。地元の警察は支持者と反対派の衝突に発展する可能性があると警数し、市民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。
ボルソナロ大統領の弾劾もしくは辞任を求める反対派も全国各地で集会を開催した。
ボルソナロ大統領は7月、電子投票システムが改革されなければ2022年の大統領選挙は中止になる可能性があると述べ、改革を実行せずに強行し自分が負けた場合、選挙結果を拒否するかもしれないと警告した。