◎現地メディアによると、ボルソナロ大統領は保健相と6月1日に会談し、大会の開催に合意したという。
ブラジル政府によると、ジャイール・ボルソナロ大統領はコロナウイルスの猛威が続いているにもかかわらず、南米最大のサッカーイベント、コパ・アメリカの自国開催を望んでいるという。
ブラジルの野党議員や医療専門家は、コロナの収束が全く見通せないにもかかわらず「サッカーをやりたい」と主張した極右のボルソナロ大統領を厳しく非難した。
南米サッカー連盟(CONMEBOL)は5月31日、今年のホスト国のひとつに選ばれたアルゼンチンがコロナの影響でホストを辞退したことを受け、サッカー大国ブラジルに白羽の矢を立てた。もう一つのホスト国コロンビアでは、政府の増税案に反対する爆発的な抗議活動が続いている。
ルイス・エドゥアルド・ラモス大統領首席補佐官は31日の記者会見でコパ・アメリカの開催に疑問を投げかけたが、「ボルソナロ大統領と閣僚は大会の開催に同意するだろう」と述べた。「連邦政府はコパ・アメリカのブラジル開催を認めるでしょう。昨日、ブラジルのサッカー連盟から依頼を受けました。保健相を含む閣僚は前向きです。コパ・アメリカは盛大に開催されるでしょう」
一方、最高裁判所の判事は野党労働者党が大会に反対する訴訟を起こしたことを受け、開催の承認に至った経緯や関連する情報を提供するようボルソナロ大統領に命じた。
現地メディアによると、ボルソナロ大統領は保健相と6月1日に会談し、大会の開催に合意したという。
ボルソナロ大統領はプラナルト宮殿前に集まった保守的な支持者に対し、「コパ・アメリカを開催できるかどうかは私と閣僚次第です」と述べた。「私はコロナウイルスに関する正しい情報を国民に発信し続けてきました。死者が増加していることは残念ですが、私たちは経済活動を再開し、生きていかなければなりません...」
南米サッカー連盟(CONMEBOL)によると、今年のコパ・アメリカは6月13日に開幕し、決勝戦は7月10日に行われる予定だという。試合会場などの詳細情報はまだ明らかにされていないが、一部の州知事は大会の開催に激しく反対しており、開催を容認した指導者も厳格な感染予防対策を徹底しなければならないと主張した。
コパ・アメリカは他の大陸トーナメントと同じく、コロナウイルスの感染拡大に伴い2020年大会を1年延期していた。
レナン・カリェイロス上院議員は1日、議会の演説でブラジル代表のストライカー、ネイマール選手に支援を求めた。「ネイマール、私はあなたに一言伝えたい。ブラジルのコパ・アメリカ開催に同意しないでください。私たちはサッカーチャンピオンシップではなく、コロナワクチン予防接種チャンピオンシップを開催しなければなりません」
オマール・アジズ上院議員もボルソナロ大統領の決定を却下した。「私たちはサッカーを愛しています。しかし、今回の大会で得られるものはコロナの感染拡大だけです。ブラジルは世界に恥をさらすでしょう」
ボルソナロ大統領の友人、エドゥアルド・ジロン上院議員はコパ・アメリカの開催決定を擁護した。「政治とスポーツは分けて考えるべきです。コパ・アメリカの開催を祝いましょう」
ブラジルで少なくとも1回コロナワクチンを接種した人の割合は人口の約21%、累計死亡者数は46万人を超えた。
<ワクチン接種数/少なくとも1回接種した人の割合/6月2日時点>
アメリカ:2億9,500万回/50%
イギリス:6,500万回/58%
ドイツ:5,000万回/43%
イタリア:3,500万回/39%
フランス:3,600万回/38%
カナダ:2,400万回/58%
日本:1,300万回/8%
ブラジル:6,700万回/21%
中国:6億6,100万回/32%
インド:2億1,000万回/12%
イスラエル:1,100万回/63%
世界:19億4,000万回/11%
アジア:10億6,000万回/6%
北米:3億6,100万回/37%
ヨーロッパ:3億5,700万回/32%
EU:2億4,700万回/38%
南米:1億2,000万回/19%
アフリカ大陸:3,300万回/2%