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2018年のブラジル市議殺害事件、首謀者の裁判始まる

裁判は首都ブラジリアにある最高裁で開かれ、5人の判事が審理に当たる。
  • 2026年2月24日/ブラジル、首都ブラジリアの最高裁判所(AP通信)
  • ブラジル、殺害されたリオデジャネイロのフランコ市議会議員(AP通信)

    ブラジル最高裁判所は24日、2018年にリオデジャネイロのフランコ(Marielle Franco)市議と同乗していた運転手が殺害された事件の首謀者の裁判を正式に開始した。フランコ氏は黒人でバイセクシュアルの人権活動家として貧困層や周辺コミュニティの声を国政で訴え、国内外で象徴的な存在となっていた。

    裁判は首都ブラジリアにある最高裁で開かれ、5人の判事が審理に当たる。起訴されたのは元国会議員のブラザオ(Chiquinho Brazão)、その兄弟でかつてリオ州政府の機関に属していたドミンゴス(Domingos Brazão)や元警察官など計5人。検察側は5人が逮捕・起訴された経緯について、殺害に関与した元警察官2人との司法取引に基づいていると説明している。

    元警察官のロニー・レッサ(Ronnie Lessa)は懲役78年、運転手役のエルシオ・デ・ケイロス(Élcio de Queiroz)は懲役59年を言い渡され、事件への関与を認めている。

    フランコ氏は2018年3月、リオ市中心部で乗車中、別の車から発砲され被弾、同乗の運転手も死亡した。この衝撃的な事件は武装集団や民兵組織の影響力と政治腐敗、社会的差別問題を浮き彫りにし、国内外で大きな反響を呼んだ。事件後、レッサらが実行犯として起訴され、その後ブラザオ兄弟らが首謀者として逮捕・起訴された。

    今裁判において検察は、フランコ氏が市議会で進めていた公共住宅用地の規制法案が民兵勢力の利益を損なう可能性があり、それを快く思わなかったブラザオ兄弟が犯行を指示したと主張している。当時の司法長官はブラザオ兄弟の逮捕時、この法案が事件の背景にある可能性を指摘していた。容疑者側は一貫して関与を否定している。裁判で立証がどのように進むかが注目されている。

    裁判初日はジモラエス(Alexandre de Moraes)判事が事件の概要を読み上げることから始まり、検察側と弁護側の主張がそれぞれ述べられた。この審理は透明性や司法の独立性が問われる重要な局面とみなされている。

    この事件はブラジル社会における人種的・社会的対立、政治的暴力の象徴とされ、国連専門家や人権団体は裁判の公正かつ迅速な進行を求める声明を出している。ブラジル大統領府はX(旧ツイッター)への投稿で、この裁判が司法の信頼回復や構造的な差別・暴力に向き合う機会になると強調。真実と正義の追求が民主主義の強化につながるとの期待を示した。

    事件発生から8年以上を経てようやく主犯格の裁判が始まり、多くの市民や国際社会はこれを人権擁護者への攻撃に対する司法の応答と位置付け、今後の判決とその波及効果に強い関心を寄せている。

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