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ギャング摘発で押収したライフル転売か、警察官5人逮捕 ブラジル

リオ市内では10月28日、警察と軍による大規模摘発が行われ、警察官と軍兵士約2500人が参加。ブラジル最大の犯罪組織であるPCC(首都第一コマンド)とCV(赤コマンド)の拠点を摘発した。
2025年10月28日/ブラジル、リオデジャネイロ郊外のスラム街、治安部隊とギャングの構成員(Getty Images/AFP通信)

ブラジル・リオデジャネイロで先月行われた麻薬密売組織への襲撃作戦に関連し、押収されたライフル銃を転売しようとしたとして、5人の警察官が逮捕された。当局が28日、明らかにした。

リオ市内では10月28日、警察と軍による大規模摘発が行われ、警察官と軍兵士約2500人が参加。ブラジル最大の犯罪組織であるPCC(首都第一コマンド)とCV(赤コマンド)の拠点を摘発した。

一連の銃撃戦により、警察官5人を含む122人が死亡、81人が逮捕された。

当局によると、押収品の中にあったライフルのうち少なくとも1丁が、この5人の警察官によって「横流し用」に隠匿された可能性があるという。

ボディカメラ映像の分析で、問題の武器が押収後に適切に管理されず、一部が犯罪組織に転売された疑いが浮上した。

警察は声明で、「構成員が関与した不正行為や犯罪を容認しない」「関与が明らかになった場合は厳正に処罰する」と強調。現在、転売先や流通経路の特定、関係者の追加捜査を進めている。

この事態は作戦の犠牲者数に加え、法執行側の不祥事という二重の衝撃をブラジル社会に与えている。

多くの武器が押収されたと報じられていたにもかかわらず、その一部が闇市場に流出しかねないという事実は、治安維持を名目とした作戦の正当性や透明性に対する根本的な疑問を投げかける。

また、作戦に対しては市民や人権団体から激しい批判が出ており、「掃討」と称されながら多数の犠牲者を出したことが「国家による過剰な武力行使」として非難されている。

今回の逮捕は治安機関に対する国民の信頼を揺るがす事態となり得る。捜査の今後の進展とともに、押収品管理体制の見直しや、警察内部の腐敗対策の強化が急務となっている。

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