ブラジルのインフレ率が中銀の目標範囲内に、10か月ぶり 25年11月
統計機関IBGEが26日に公表したデータによると、25年11月中旬までの12か月間のCPIは前年比4.50%増となり、前月の4.94%から低下した。
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ブラジルの消費者物価指数(CPI)が10か月ぶりに中央銀行の目標レンジ内に戻った。
統計機関IBGEが26日に公表したデータによると、25年11月中旬までの12か月間のCPIは前年比4.50%増となり、前月の4.94%から低下した。
中銀の目標値に収まったのは1月中旬以来。ロイター通信のアナリストは4.49%増と予想していた。
中銀はインフレ目標を3%(±1.5ポイント)に設定しており、今回の鈍化は金融緩和観測を後押ししている。
中銀のダヴィ(Nilton David)金融政策担当理事は25日、「利上げはもはや基本シナリオではない」と述べ、次の一手は利下げになるとの見方を示していた。ただし具体的な時期は不透明なままだ
ブラジルの政策金利は約20年ぶりの高水準となる15.00%で、3会合連続で据え置かれている。
中銀は24年9月から引き締めを開始。7月までに政策金利を4.50%引き上げて15.00%に設定した。
その後はデータに基づく政策運営でインフレ率を3%まで引き下げる方針を繰り返してきた。
一方、11月中旬までの1か月間のCPIは前月比0.20%増となり、10月の0.18%からやや加速した。
ロイターは0.18%増と予想。IBGEは個人サービス、医療、輸送費の値上がりが主要因だと説明した。注目される食品・飲料価格は5か月ぶりに上昇へ転じ、0.09%の小幅な上げとなった。
対照的に家庭用品の価格は下落し、生活関連分野ではまちまちの動きが見られた。
今回のデータはブラジル経済が依然として物価圧力にさらされつつも、インフレが中銀の想定軌道へ収まりつつあることを示している。
市場では、今後の利下げのタイミングが最大の焦点となっており、引き続き物価や消費動向が注視される見通しだ。
