ブラジル前大統領の息子が米政府高官と接触、最高裁判事への制裁依頼か

ボルソナロ氏の息子は米ホワイトハウスの高官と連絡を取り、ジモラエス氏を制裁リストに加えるよう働きかけたとされる。
ブラジルのボルソナロ前大統領(Getty Images/AFP通信)

ブラジルのボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の息子が米政府に対し、ブラジル最高裁判所のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事に制裁を科すよう働きかけているようだ。米有力紙ワシントン・ポストがこの問題に詳しい関係者の話しとして報じた。

それによると、ボルソナロ氏の息子は米ホワイトハウスの高官と連絡を取り、ジモラエス氏を制裁リストに加えるよう働きかけたとされる。

ルビオ(Maro Rubio)米国務長官は5月末、共和党議員との会合で、ジモラエス氏を制裁リストに加える可能性があると述べていた。

ジモラエス氏は今年3月、トランプ(Donald Trump)米大統領の盟友であり、クーデターを起こした罪などで起訴されたボルソナロ氏を被告人と認定し、公判の開始を決定した。

ボルソナロ氏はクーデターを起こした罪などで起訴されている。

トランプ氏は先週、ボルソナロ氏が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、ブラジル産輸入品に50%の関税を課すと表明。この裁判を打ち切るよう要求した。

ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領はこの要求を却下し、米国が関税を課せば法律に基づいて対処すると表明。報復を示唆した。

ブラジルと米国の右派はジモラエス氏がブラジルの民主主義を破壊していると主張。最高裁が検閲を含む抑圧を推進していると非難してきた。

ブラジル最高裁は3月初め、米国のオンライン動画共有プラットフォーム「ランブル」の国内利用を禁じるというジモラエス氏の決定を支持した。

ランブルは右派に人気の動画プラットフォーム。ブラジル最高裁はヘイトスピーチと虚偽の情報を広めた疑いで本国で捜査を受けているブラジル人ユーザーのアカウントをブロックするよう命じている。

ブラジル最高裁は2月、米実業家マスク(Elon Musk)氏が所有するX(旧ツイッター)に対し、司法命令に従わなかったとして810万レアルの罰金刑を科した。

Xは昨年8月、ブラジル規制当局にブロックされた。

それ以来、ブラジルと米国の右派ユーザーはジモラエス氏を「悪の枢軸」と呼び、同氏の偽情報を流すなどして誹謗中傷している。

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