収監中のブラジル前大統領がヘルニア手術、最高裁が入院認める
最高裁判所のジモラエス判事は23日、ボルソナロ氏が刑務所を一時的に離れて入院することを認める判断を示した。
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ブラジルのボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領が12月24日に鼠径(そけい)ヘルニアの手術を受けるため、一時的に拘置先を離れる見通しとなった。
最高裁判所のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事は23日、同氏が刑務所を一時的に離れて入院することを認める判断を示した。弁護側は同日、最高裁に対し、首都ブラジリアの病院で24日に手術を受けるための入院を認可するよう求める申請書を提出していた。
ボルソナロ氏は9月、最高裁のクーデター裁判で27年の禁錮刑を言い渡された。同氏はこの判決に基づき連邦警察本部の施設に収監されているが、健康上の理由から手術の必要性が認められた。
弁護側によると、ボルソナロ氏は23日に入院し、24日午前に手術を受ける予定だという。鼠径ヘルニアは両足の付け根に発症しており、痛みや不快感が続いているとされる。ボルソナロ氏は2018年の大統領選キャンペーン中に腹部を刺され、それ以来、腹部や関連する症状で複数回の入院と手術を繰り返してきた。
同氏は23日に地元メディアのインタビューに応じる予定だったが、健康状態を理由に急きょ取りやめたと報じられた。ジモラエス氏はインタビューを許可していた。
市場関係者の間では、ボルソナロ氏がこのインタビューで2026年大統領選に出馬する長男のフラヴィオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員を支持する意向を示す可能性があると注目していた。
最高裁が手術を認めた背景には、ボルソナロ氏が収監中でありながらも重大な健康問題を抱えていることがある。申し立てでは、この鼠径ヘルニアで日常生活に支障をきたしているとされ、手術が必要という診断が下された。また、弁護側はボルソナロ氏の拘置状況が彼の治療と回復を阻害していると主張していた。
しかし、ジモラエス氏はボルソナロ氏の拘置所からの離脱を認めつつも、手術後の自宅での療養を含む「人道的な執行停止」の要望は退けている。ジモラエス氏は拘置施設が病院に近いことや、緊急時には迅速な対応が可能である点を理由に挙げ、ボルソナロ氏は手術後に再び拘置施設に戻る必要があるとの立場を示した。
ブラジルではボルソナロ氏の収監や有罪判決を巡る議論が続いており、政治的にも大きな波紋を広げている。今回の健康問題と手術は同氏の今後の政治的役割や支持基盤の動向にも影響を与える可能性がある。
