SHARE:

ブラジル前大統領、屋外スペース付きの独房に移送、最高裁が命じる

ボルソナロ氏は昨年11月に懲役27年の実刑判決を受け、それ以来収監されている。
2023年6月29日/ブラジル、リオデジャネイロの空港前、ボルソナロ前大統領(Silvia Izquierdo/AP通信)

ブラジルの最高裁判所は15日、クーデター未遂裁判で実刑判決を受けたボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領を連邦警察本部の独房から、より広い独房と屋外エリアを備えた収容施設へ移送するよう命じた。移送先は首都ブラジリアの「パプダ(Papuda)刑務所」で、司法当局は「目立つ被収容者にとってより好ましい環境」と説明している。

ボルソナロ氏は昨年11月に懲役27年の実刑判決を受け、それ以来収監されている。ボルソナロ陣営は健康上の理由から自宅軟禁を求めていたが、最高裁は国外逃亡の危険性などを理由にこれを退けていた。

最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事は今回の決定について、これまでの拘禁環境は人道的基準を満たしているとしつつも、より広い収容スペースへの移送を許可した。またジモラエス氏は、パプダ刑務所内の新たな独房で24時間体制の医療支援を受けられるようにすることや、定期的な健康診断の実施も命じた。同施設には医師、看護師、歯科医、心理士、精神科医、薬剤師らが配置されているという。

報道によると、これまでボルソナロ氏は連邦警察本部の個室に収容されていた。そこにはベッド、プライベートバスルーム、エアコン、テレビ、机が設置されていた。一方、新たな収容スペースは約54平方メートルの室内に加えて10平方メートルの屋外エリアを持ち、キッチン、リビングルーム、寝室、ランドリーエリアも備えた「アパートに近い環境」とされる。ボルソナロ氏は単独でこのスペースを使用し、週単位の家族面会時間の拡大も認められたという。

ただし、ボルソナロ陣営が希望した「スマートテレビの設置」は、安全上の理由から却下された。インターネット接続可能な端末を収容者に与えることは、外部との不適切な通信や違法行為を助長するリスクがあると判断されたためである。

ボルソナロ氏は2022年の大統領選挙で敗れた後、ルラ政権の転覆を目的とするクーデターを企てたとして、裁判にかけられた。判決ではジモラエス氏やルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領を暗殺する計画や、暴力による民主主義の廃止を促す意図があったと認定されたが、ボルソナロ氏はこれらの罪状を否認している。

最高裁の広報担当は移送手続きが既に完了したことを明らかにしており、新たな収容環境が今後の収監生活にどのような影響を与えるかが国内外の注目を集めている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします