ブラジル・ボルソナロ前大統領が退院、収監先の拘置所に戻る
ボルソナロ氏は2022年の大統領選敗北後、クーデター未遂に関与したとして25年9月に最高裁判所で実刑判決を受けた
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ブラジルのボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領が1月1日、首都ブラジリアの病院を退院し、収監先の連邦警察本部に戻った。
同氏は昨年末に鼠径(そけい)ヘルニアの手術を受けて以降入院していたが、1月1日午後に退院。付き添いの車両で収容施設へ移送された。手術自体は無事に終了し、追加の軽微な処置も行われたが、大きな合併症は報告されていないという。
ボルソナロ氏は2022年の大統領選敗北後、クーデター未遂に関与したとして25年9月に最高裁判所で実刑判決を受けた。罪状には武装集団の指導や民主的統治の暴力的廃止の試みなどが含まれ、同氏はこれらの罪を一貫して否認している。
今回の入院に際して、ボルソナロ陣営は退院後に自宅軟禁へ移行する「人道的」措置を求めていたが、最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事はこれを却下した。ジモラエス氏はボルソナロ氏が収監中も継続的かつ適切な医療を受けられている点や、健康状態が改善していることを理由に掲げ、刑務所に戻るよう命じた。
ボルソナロ氏は他の受刑者と異なるエリアに収監され、12平方メートルほどの独室にベッドやエアコン、テレビ、机などの設備が整っている。しかし自由は厳しく制限され、常に監視下に置かれている。
医療面では、鼠径ヘルニアの手術に加えて、長引くしゃっくりの治療も行われた。これは今回の入院中に施術され、横隔神経に対するブロック治療が試みられるなど、複数の医療手順を経て症状改善が図られた。ボルソナロ氏は過去にも2018年の選挙運動中の刺傷事件をはじめ、複数回にわたる入院や手術を経験している。
収監中の政治的影響も続いている。ボルソナロは2026大統領選における自身の支持を示す動きとして、長男フラヴィオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員を自らの政党の大統領候補に指名するなど、政治活動に関与した。これにより、ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領との間で激しい選挙戦となる見込みだ。
退院後の移送に際して、ボルソナロ陣営から公式な声明やコメントは出されていない。
ブラジル国内ではボルソナロ支持者による抗議デモや釈放要求の動きも過去に見られており、収監とその後の政治的動向は国内外で大きな関心を集めている。ボルソナロ氏自身は現在も自由を求める姿勢を崩しておらず、今後の司法手続きや選挙戦への影響が注目される。
