◎26日のクーデターを指揮したとされる陸軍大将のズニガ氏は29日、首都ラパス郊外の警備厳重な刑務所に送られた。
南米ボリビアのモラレス(Evo Morales)元大統領が6月30日、週末に発生したクーデター未遂をアルセ(Luis Arce)大統領による「自作自演」と主張した。
モラレス氏は地元テレビ局のインタビューで、「支持率を上げたいアルセが自爆クーデターを自演し、国民を欺いた」と述べたが、その証拠は示さなかった。
26日のクーデターを指揮したとされる陸軍大将のズニガ(Juan José Zuñiga)氏は29日、首都ラパス郊外の警備厳重な刑務所に送られた。
陸軍は26日付けでズニガ氏を解任している。
モラレス氏は当初、約200人の軍人がクーデターを企てたと非難し、関与した者をひとり残らず逮捕するよう訴えていた。
しかし、モラレス氏は30日、「このクーデターを画策したのはアルセ本人である」と主張した。
モラレス氏はインタビューの中で、「アルセは国民だけでなく全世界に嘘をついた」と語った。
その後、モラレス氏はX(旧ツイッター)にもコメントを投稿。「関係機関に独立した調査を求める」と書き込んだ。
地元メディアによると、ズニガ氏は警察の取り調べに対し、「アルセに裏切られた」と主張しているという。
ズニガ氏はこう主張したとされる。「アルセ大統領は私たちにこう言った。私の支持率を上げるために、実行する必要があると...」
一部の野党議員もこの説を信じ、クーデターを自作自演と呼んだ。
ズニガ氏は刑務所に移送される直前、記者団に対し、「真実が明らかになると確信している」と語った。
大統領府の報道官は30日、モラレス氏の主張を一蹴し、国民に対し、偽情報に惑わされない警告した。
また報道官は「ファシストどもが歴史を歪曲している」と主張した。
かつてアルセ氏の友人であったモラレス氏は2019年、憲法を無視して3期目を目指した後、メキシコに亡命。1年後に帰国した。
地元メディアによると、モラレス氏は今も農村部で支持を集め、影響力を行使しているという。一方、アルセ氏はパンデミックやインフレなど、複数の経済危機で難しいかじ取りを迫られ、支持率低下に歯止めがかからない状態となっている。