◎モラレス氏によると、正体不明の男たちが27日に自身の乗る車に向けて発砲したという。
ボリビアのエボ・モラレス元大統領(Getty Images/AFP通信)

ボリビア政府は28日、エボ・モラレス(Evo Morales)元大統領が正体不明の武装集団に銃撃され、暗殺未遂から生き延びたという主張を「猿芝居」と非難した。

それどころか、大統領府の報道官は「あの男は自分で自分の命を狙う変わり者、自作自演男である」と主張した。

アルセ(Luis Arce)大統領の支持者とモラレス氏の支持者による衝突は各地で続いている。

モラレス氏によると、正体不明の男たちが27日に自身の乗る車に向けて発砲したという。

しかし、大統領府はこれに反論した。

警察によると、モラレス氏を乗せた車は警察の検問を無理やり通過し、その際、警察官をはねたという。

モラレス氏は27日の声明で、「覆面をかぶった男たちが私の車に向けて発砲した。これは暗殺未遂だ。私の車には14発の銃痕が残されていた。これは政府による計画的な犯行だ」と述べていた。

大統領府の報道官は記者会見で、「モラレスを乗せた車が警察官をはねる前、麻薬取締官がモラレスの車を追跡していた」と明らかにした。

それによると、マトリはモラレス氏を麻薬密売の疑いで捜査していたという。

報道官は記者団に対し、「モラレスは部下に車を処分するよう指示し、麻薬に関する証拠を隠滅した疑いがある」と語った。

また報道官は「捜査当局がモラレスから話を聞いている」と述べた。

さらに報道官はこう強調した。「モラレス、お前が演出した猿芝居を信じている人はいないよ」

捜査当局はモラレス氏の車にはねられた警察官の容体や麻薬捜査の詳細を明らかにしていない。 

モラレス氏は在職中に大統領の任期上限を廃止し、2019年の選挙で4選を決めたものの、紆余曲折の末、辞任。この際、治安当局によるデモの取り締まりで34人が死亡した。

一方、アルセ氏は6月末のクーデター未遂で危機に直面。モラレス氏はこれをアルセ政権の自作自演と呼び、アルセ氏に引退を勧告している。

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