ボリビア大統領選、中道と右派候補が決選投票へ、与党MAS大敗
MASの元カリスマ指導者であるエボ・モラレス元大統領はコメントを出していない。
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南米ボリビアで17日に行われた大統領選について、中道のパス(Rodrigo Paz)上院議員と右派のキロガ(Jorge "Tuto" Quiroga)元大統領が決選投票に進むことが確実となった。
左派である与党・社会主義運動(MAS)の候補は一連の内紛と進行中のインフレに足を引っ張られ、大敗した。
選挙管理委員会によると、開票率91%の時点で、パス氏の得票率は32.8%、キロガ氏は26.4%。
第1ラウンドで勝利するためには50%を超えるか、40%以上の得票率で2位に10ポイント以上の差をつける必要がある。条件を満たす候補が出ない場合は上位2人が10月19日の決選投票に進む。
MASの元カリスマ指導者であるエボ・モラレス(Evo Morales)元大統領はコメントを出していない。
右派のキロガ氏は自身が勝利した場合、モラレス氏を速やかに逮捕すると表明。モラレス氏は中部コチャバンバ県チャパレ地方の市民に対し、「右派帝国」の攻撃に備えるよう求めてきた。
2016年に15歳少女との間に子供をもうけたと告発されているモラレス氏は逮捕状を無視してチャパレ地方に潜伏中。数千人の支持者が警備しているため、警察も近づくことができずにいる。
MASは一連の内紛とインフレで支持率を落とし、現職のアルセ(Luis Arce)大統領は出馬を断念。モラレス氏の後継者である議会上院のロドリゲス(Andronico Rodriguez)議員の得票率は8%にとどまっている。
アルセ氏の支持を得たカスティジョ(Eduardo del Castillo)前内相の得票率はわずか3.2%である。
米州機構(OAS)のボリビア選挙ミッションは17日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。「投票は予定通り終了し、現時点で不正や混乱は確認されていない」との書いた。
モラレス氏が潜伏する中部コチャバンバ県の投票所ではいくつかのトラブルが発生したと伝えられている。
最新の世論調査で多くの支持を集めた中道右派のドリアメディナ(Samuel Doria Medina)氏は3位。決選投票に進めなかった。
モラレス氏は16日、右派候補が17日の大統領選を制した場合、モラレス氏を逮捕すると公約に掲げていることについて、「どう対応すべきか分からない」と表明した。
モラレス氏は在任中、天然ガスに依存した経済を構築。その後、大統領の任期上限を廃止し、2019年の選挙で4選を決めたものの、紆余曲折の末、辞任。この際、治安当局によるデモ取り締まりで34人が死亡した。
憲法裁は昨年11月、2023年の裁判所命令を再確認し、「大統領は連続であるか否かにかかわらず、2期以上務めることはできず、3選は認められない」と裁定していた。
モラレス氏は辞任後、国外に逃亡。2020年に帰国した。