ボリビア大統領選決選投票、左派の一党支配に終止符
左派の与党・社会主義運動(MAS)の候補は8月の選挙で進行中のインフレに足を引っ張られ、大敗した。
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南米ボリビアで10月19日に大統領選決選投票が行われる。約20年に及ぶ一党支配、3年間に渡る通貨危機、そして数ヶ月に渡る燃料危機にウンザリした市民は右派候補に投票する予定だ。
地元メディアによると、中道のパス(Rodrigo Paz)上院議員と右派のキロガ(Jorge "Tuto" Quiroga)元大統領の支持率は拮抗している。
左派の与党・社会主義運動(MAS)の候補は8月の選挙で進行中のインフレに足を引っ張られ、大敗した。
2005年にエボ・モラレス(Evo Morales)元大統領率いるMASが政権を掌握して以来初めて、保守的で企業寄りの候補者2人が決選投票で対決する。
今問われているのは、ボリビア国民がどれほどの変化を、どれほどのスピードで求めているかだ。
次期大統領の喫緊の課題は、米ドルをボリビアに呼び込み、燃料不足を緩和する十分な燃料を輸入することである。
過去に3度出馬して敗北したキロガ氏は国際通貨基金(IMF)からの救済とアルゼンチンのミレイ政権のような超緊縮政策を約束している。
中道のパス氏は闇市場の合法化、「無駄な」補助金の段階的廃止、国民が蓄えたドルを銀行システムに戻すことで資金を調達すると主張している。
ボリビアの経済が破綻した背景には、資源依存、経済政策の失敗、政治的不安定が重なったことがある。特にリチウムなどの天然資源に過度に依存し、価格の下落時に国家収入が急減した。
エボ・モラレス政権時代には社会福祉の拡充や国有化政策が進められ、短期的には経済成長を見せたが、投資環境は悪化し、長期的な持続可能性が損なわれた。
また、財政赤字と外貨準備の減少が進行し、通貨の信用が低下。加えて、2023年以降の政情不安やインフレ圧力、対外債務の増大も危機を深刻化させた。
政府は為替統制や輸入規制を強化したが、かえって経済活動を萎縮させた。こうして国民生活は困窮し、経済は実質的な破綻状態に陥った。