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ボリビア大統領選決選投票、2人の右派候補の争い

暫定結果は19日遅くから20日未明にかけて判明する予定だ。
2025年10月19日/ボリビア、首都ラパス、大統領選の投票所(AP通信)

南米ボリビアで19日、大統領選決選投票が行われた。

約20年に及ぶ一党支配、3年間に渡る通貨危機、そして数ヶ月に渡る燃料危機にウンザリした有権者たちが2人の右派候補に投票した。

暫定結果は19日遅くから20日未明にかけて判明する予定だ。

地元メディアによると、中道のパス(Rodrigo Paz)上院議員と右派のキロガ(Jorge "Tuto" Quiroga)元大統領の支持率は拮抗している。どちらが勝っても、左派の与党・社会主義運動(MAS)とは違う道が示されるだろう。

2023年以降、ボリビアは外貨準備の不足、米ドル不足に苦しめられ、国民は自身の貯蓄にアクセスできず、輸入も阻害されている。

先月の消費者物価指数(CPI)は前年比で23%増となり、1991年以来の水準に達した。

燃料不足が国を麻痺させ、ドライバーは給油のために数日間も列に並ぶことが常態化している。

キロガ氏とパス氏は2006年にボリビア初の先住民族大統領となったエボ・モラレス(Evo Morales)元大統領のMASによる財政赤字を招くポピュリズム政策との決別を誓っている。

次期大統領の喫緊の課題は、米ドルをボリビアに呼び込み、燃料不足を緩和する十分な燃料を輸入することである。

過去に3度出馬して敗北したキロガ氏は国際通貨基金(IMF)からの救済とアルゼンチンのミレイ政権のような超緊縮政策を約束している。

中道のパス氏は闇市場の合法化、「無駄な」補助金の段階的廃止、国民が蓄えたドルを銀行システムに戻すことで資金を調達すると主張している。

モラレス氏は在任中、天然ガスに依存した経済を構築。その後、大統領の任期上限を廃止し、2019年の選挙で4選を決めたものの、紆余曲折の末、辞任。この際、治安当局によるデモ取り締まりで34人が死亡した。

憲法裁は昨年11月、2023年の裁判所命令を再確認し、「大統領は連続であるか否かにかかわらず、2期以上務めることはできず、3選は認められない」と裁定していた。

モラレス氏は辞任後、国外に逃亡。2020年に帰国した。

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