◎警察はコメントを出していない。
ボリビアのエボ・モラレス(Evo Morales)元大統領は27日、正体不明の武装集団に銃撃され、暗殺未遂から生き延びたと主張した。
アルセ(Luis Arce)大統領の支持者とモラレス氏の支持者による衝突は各地で続いている。モラレス氏によると、正体不明の男たちが自身の乗る車に向けて発砲したという。
警察はコメントを出していない。
モラレス氏はアルセ政権が襲撃に関与したと主張。自身を政界から遠ざけようとするアルセ派の武闘派が襲撃に関与していると述べた。
アルセ派はこの主張を否定。「来年の大統領選で返り咲きを目指す左翼ゲリラのモラレスは自らの権威を高めるために自作自演した」と主張した。
モラレス派はこの主張を否定。「警察はアルセの私兵部隊、殺人集団だ」「この殺し屋め」と吠えた。
見苦しい口論は来年の大統領選を前に、ボリビアの分断の深さを物語っている。モラレス政権で閣僚を務めたこともあるアルセ氏は再選を目指している。
ボリビアの経済はインフレと通貨安で失速。外貨不足に陥る中、今回の口論が混乱を拡大させる恐れがある。
モラレス氏はコカの葉で有名なチャパレで車を運転中に銃撃を受けたと主張している。
モラレス氏は在職中に大統領の任期上限を廃止し、2019年の選挙で4選を決めたものの、紆余曲折の末、辞任。治安当局によるデモの取り締まりでは少なくとも34人が死亡した。
一方、アルセ氏は6月末のクーデター未遂で危機に直面。モラレス氏はこれをアルセ政権の自作自演と呼び、アルセ氏に引退を勧告している。